占星術正統度の物差し

☆敵か味方か
 当店ピカトリクスのウリの一つであるセクト技術は当店の専売特許にしたいくらいですけれど無論それはできません。
 チャート解読の最優先テクニックであるセクトをここ日本では誰もまともに公表しないのは、
 イ その重要性を理解できない
 ロ 重要だと知っているが出し惜しみ
 ハ その他

 ロやハも少しはあるのでしょう。しかしイが大きな理由でしょう。なぜかというとセクトのコンセプトそのものは日本でも15年以上前から知られているからです。しかし海外みたいには普及しない。イだからでしょう。
 普及しない理由を考えても詮無きことなので公表することにしました。英語でならすでに公表されているので。ただ英語でも具体的に使えるテクニックとして公表しているのは稀です。本ブログほど詳しく公開している例は見たことがありません。
 敵か味方か。熱帯草原で草食動物と肉食動物を区別できないのでは命がいくつあっても足りません。ここは熱帯草原ではないかもしれませんけれど、この世はときに熱帯草原でのサヴァイヴァル戦の様相を呈します。非常事態はその代表例です。非常時の敵味方の区分けは致命的に重要です。平時であっても生産性や効率という観点からは敵味方の区分けができることは好ましいことです。術は長いのに人生は短いです。

☆日本の占星術愛好家にとってのセクト
 日本でセクトを最初に言い出したのは誰でしょう。わかりません。書籍なら完全マスター西洋占星術、2004年あたりが最初?
 この本、アマゾン日本で36件のレビューがあります。レビュアーの誰一人としてセクトに言及していない。ここまでセクトを徹底無視するのはある意味潔い。日本に正統占星術がない一つの傍証です。
 日本でセクトライトという用語を最初に使ったのは当店ピカトリクスの店主サエルです、多分。2017年8月3日にwebに投稿したのがセクトライトの本邦初出だと認識します。
 セクトメイトないしセクトメイツは、このブログが嚆矢でしょう。セクトライトにせよセクトメイツにせよ具体的な占術テクニックとして取り上げるのは、このブログが本邦初です。セクトは(ホロスコピック占星術の出発点なのですから、ここから始めなければ、それは正統的な占星術ではありません。このブログ開設を機に、この日本でもようやく本当の占星術の導入が始まったと言えましょう。日本では流行らないかもしれませんが我が道を行きます。

セクトを使う占星術師が”本物”(信条にもよりますが)
 セクトのテクニックを知れば占星術の正統度を評価することができます。テクニックとしてセクトを最優先に使っている占星術師が“本物”で、使っていない占星術師が“偽物”です。“偽物”でも当たっているように感じるのが占い。偽薬効果というのは確実にあります。クスリの効果の30%ぐらいは偽薬効果らしい。それはさておき、
 セクトに高い優先度与えている占星術師ほど“本物”です。あくまでセクト的に考えるならば、です。日本では信条、学問、思想&信教などは自由ということになっていますから、別の占星術的な信条を禁止しているわけでも禁止できるわけでもありません。セクト占星術の出発点と認める、つまりこの地球には昼と夜がある、昼と夜とではモードが違う、太陽(昼のセクトライト)と月(夜のセクトライト)がライツであることを認めるなら、です。セクトだけで100%正統度を判断できませんけれど8割がたokです。占星術を習うなら、鑑定を受けるなら、最優先のテクニックとしてセクトを使っている占星術師に限ります。伝統orモダンを問いません。上述の完全マスター西洋占星術は、ガチのモダン占星術の基本書ですけれどセクトを扱っています。ただし著者のスクール(流派)が実際の鑑定にセクトを使っているかどうか、最優先のテクニックとして使っているどうかは不明です。

☆テンプルのフォーチュン(Lof)とセクトメイツ
 正統占星術である以上避けて通れないのがアスペクトとロッツ(Lots)です。ロッツはアングルに優先はしませんけれど占いには欠かせない技術です。ロッツはハウス技術の一種です。最重要のロットはプトレマイオスも取り上げているフォーチュン(Lof, ロットオブフォーチュン)です。シャーリー・テンプルのLofは第11ハウスてんびんです。ドロセウス式ハウスのランキングによれば11はアングル以外では最吉のハウスです。テンプルのチャートは夜チャートでセクトメイツは以下のようになります。
 セクトライトの月ふたご(7) △ Lof
 ベネフィックの金星おひつじ(5) オポ Lof
 マレフィックの火星うお(4) アヴァージョン Lof
 最悪天体の土星Rいて(1) * Lof

 地平線の上にあるゆえに指揮能力が高いセクトライトの月とLofが△となっていますから基本幸運の星のもとに生まれています。いわゆる持っている人です。
 マレフィックの火星がLofを見ていないのはラッキーなことです。幸運を妨げるような家庭の事情がないことを示唆しています。土星RいてがLofを見ているのは好ましくありません。しかし両者間のアスペクトが*、土星Rはてんびんのイグザルテイションルーラ、&土星Rを支配する木星おひつじは土星Rを見ている。仏の顔も三度までは、占星術の重要な格言です。最悪天体であるものの、この土星Rに目を付けられていることは災厄とまでは言えません。事実85歳まで生きました。土星は死のナチュラル表示天体であり我が子を喰らう天体です。本当に凶悪な土星は、そんなに甘くありません。
 なお金星 オポ lofてんびん は“円満な別れ”を示唆します。金星を支配する火星は第12ハウスルーラであることに留意です。

 

 ちなみに、日本占星術界の定番の完全マスターは旧版でよいのではないかと思います。中古でお値打ちに手に入るならですが。もちろん著者のファンなら新品でも新版でもokです。

 

完全マスター 西洋占星術 (The series of perfect master)

完全マスター 西洋占星術 (The series of perfect master)

  • 作者:松村 潔
  • 発売日: 2004/10/02
  • メディア: 単行本
 

 

 

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