Thema Mundi

 

マルタの鷹 特別版 [DVD]

マルタの鷹 特別版 [DVD]

  • 発売日: 2015/12/16
  • メディア: DVD
 

 

☆映画M

 映画「M」のMとMundiのMが偶然の一致なのか何らかの符合なのか不明です。

 占星術業界で人気の犯罪者のツートップがマンソンとバンディです。死の教祖的存在であったマンソンについては後述します。

 シリアルキラーの本家的存在がテッド・バンディです。そのバンディ以前のシリアルキラーで恐らく最も悪名高い存在だったのが、デュッセルドルフの吸血鬼ペーター・キュルテンです。

 巨匠フリッツ・ラング監督の映画「M」1931のモチーフとなったのがキュルテンです。主演のペーター・ロレは、この後英国でヒチコック映画に二本出た後、奇跡的傑作の「マルタの鷹」1941に登場してきました。ロレは「カサブランカ」にも出演していますけれど恐らく生涯最高の演技は「マルタの鷹」です。また「マルタの鷹」はボギーの初主演映画です。ボギー伝説のはじまりです。

 「マルタの鷹」はロレにとって、「M」と「マルタの鷹」に出演しただけでも生まれた甲斐があったというぐらいの儲けものの映画です。「M」はともかく「マルタの鷹」未見ならラッキーです。これは映画史上に残る面白い映画の一つです。この手の映画、フィルムノワール的映画を作らせたらワーナーブラザースはハリウッド一です。

 さてこれが本日のテーマである世界チャートとどう関連するのでしょうか。それは秘密です。これは秘伝中の秘伝なので。占星術を正しく理解しようとするなら分かるかもしれません。

 

☆世界図

 Thema Mundi。世界(開始)チャートないし全世界(universe)チャート。

 この用語は deVoreの事典には載っていません。この事典には、ソーラーハーフもルナーハーフも載っていません。これが20世紀のモダン占星術。世界の仕組み(≒占星術)とルーラーシップを理解していません。だからこそ、トランスサタニアンのルーラーシップを身勝手に決めたのでしょう。世界トップクラスの小惑星の専門家でありバリバリのモダンでもあるデメトラ・ジョージ女史は、トランスサタニアンのルーラーシップには(Thema Mundiのような)根拠がないと適切な指摘をしています。

 また存命の占星術師では恐らく最も著名なロバート・ハンドは、トランスサタニアンのルーラーシップにはもともと懐疑的で、そのせいだけではないのでしょうが、伝統派に転向してしまいました。5つの品位のディグニティズは天地が存する限り有効です。ハンドはそれに気づいたということです。生きているうちに気付けるなら幸いです。

 占星術やるのに Thema Mundi は知らなくてもokかもしれません。しかしソーラーハーフとルナーハーフを知らない占星術にはついていけません。はたしてこれが占星術なりや?

 当店ではモダン占星術も扱います。ただしソーラーハーフとルナーハーフを知っているモダン占星術限定です。つまり正統的なモダン占星術限定です。日本では異端的なモダン占星術がはやっていますけれど、当店はその流行には乗りません。

 

☆ヘルメス

 Thema Mundi の発明者はヘルメスだとされています。

 正統的であれ異端的であれ、伝統的であれ現代的であれ、我々が今日占星術、astrologyと称しているものは、今から約2100年前に恐らくはアレクサンドリアあたりでほぼ突然的に発明されたものが源泉です。その伝説的創始者はヘルメスです。ヘルメスが発明した Thema Mundiは、およそ次のような系譜で普及しました。

 へルメス→アスクレピウス→ネケプソ(Nechepso)&ペトシリス→業界標準に、代表例はドロセウス。

 

 まとまった教則本としてはほぼ最古のドロセウスは、この用語は使っていないと思います。ただ、このコンセプトをドロセウスは前提としていたものと推定できます。惑星(planets)のハウスの割り当て説明するのに、かにサインから始めていますから。

 天体、サイン、ハウス&アスペクトは、占星術占星術たる技術4点セットです。Thema Mundi はその全てを含んでいます。Thema Mundi なるティーチングツールが発明されたことにより占星術、astrologyが誕生しました。

 

☆正統占星術奥の院

 ファーミカス(Firmicus、フィルミクス?)は、Thema Mundi はティーチングツールだとしています。だが甘い。ファーミカスは法律家(役人?)であってプロの占星術師ではありません。大部なネイタルの著を残したので彼の功績は大きい。しかし占星術の理解となると怪しい。だから後に占星術を捨ててキリスト教に転向してしまいました。

 それはさておき、Thema Mundi はティーチングツールとして占星術史上に残る優れものです。しかし、それだけではありません。実占でも使えます。上述したようにこれは秘伝中の秘伝のテクニックで、ヘルメス起源の正統占星術奥の院です。

 

占星術の秘密

 チャールズ・マンソン、ペーター・キュルテン&テッド・バンディ。この3人は Rodden rating AAです。使えるチャートです。マンソンとキュルテンはASCはおうしです。バンディのASCはししです。3人ともASCサインは野獣のサインです。

 世界チャートのASCはかにです。

 ひとつだけヒントを。世界チャートではみずがめが死のサイン、ハウスです。実際みずがめは死のサインないし死体のサインです。マンソンのn月はみずがめです。実はnヘッドもn土星(←死のナチュラル表示天体)もみずがめです。不思議なのか当然なのか。

 みずがめが死のサインだというのは当店の独創ではありません。伝統的占星術の伝統的教えです。たとえば9世紀の al-Kindy。みずがめだけさんざんな言われようです。死という不吉なものに関連付けているのはみずがめだけです。生命を象徴する太陽が支配するサインの反対側がみずがめです。ゆえにみずがめのサインが死(体)のサインでなければ占星術はインチキであることになります。そして世界チャートではみずがめはちゃんと第8ハウスの死のハウスに割りあてられています。al-Kindy さすがです。世界チャートは使えます。

 

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