2016年春分図

⭐︎トランジット(天体の運行)

 当ブログのメインのトピックはネイタルです。しかしマンデンも扱います。チャートの読み方は原則的なことは同じなので。チャートはチャート、天体の運行は天体の運行です。ネイタルでもマンデンでもありません。それらは人間の都合、方便です。チャートはチャートです。象徴体系なのです。我々は、これを占いに使おうと目論んでいるわけです、非常に難しいことですが。簡単な占星術は胡散臭い。難しい占星術を水準を保ったまま簡単に教示する事に成功した者はいません。この点については占星術は学問と同様です。

 

2016年ワシントンDC春分

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/efbc7ffad18d05433b35ccc36e7fc09a.html

 

 両軸のルーラがミュウチャルリセプション( MR) 、すなわちドミサイルのミュウチャルディスポジション。複雑怪奇なチャートです。MRは諸説あって解釈困難です。

 春分図は選挙のためのコンテストチャートではないものの、コンテストチャート的に読んでもokです。

 すなわち ASC VS DSC、どっちに軍配をあげるか

 しかし難しいです、これが。後付けですら、どっちがASC側だったかわからないこともあります。

 2016年のワシントンDC春分図ではASC側がトランプ陣営です。4年かかってその結論に至りました。

 

☆どっちが勝つか?

 2020年は、米国大統領の選挙年。どっちが勝つか占うにはワシントン市でキャスティングするいわゆる春分図、Aries ingress の検討が欠かせません。しかしながら当ブログでは2016年の米国大統領選の復習をしたいと思います。というのは、2016年ワシントンDC春分図の読み方について、後付けですら納得できる説明を見たことがないからです。チャートを読むというのそれぐらい難しい、第9ハウス的格闘です。火星が管理するおひつじが占星術的一年の始まりなのも故(ゆえ)あります。

 占星術というのは、事前予測はほぼ無理です。火星的なことが起きそうとは言えても、具体的に何が起きるかはわかりません。火星的の典型的な出方は変化です。しかし、それが事故なのか。火事なのか、薬物(←実は火星)なのか、旅行(火星!)なのか、わかりません。

 火星的なことをしたいのですがいかがでしょうと問われれば、背中を押したり、やめといたほうが無難、こういう助言(←いわゆるイレクション)は占星術は得意です。

 

木星Rおとめがトランプ(切り札)

 2016年ワシントンDC春分図は超難問です。ASCルーラの木星は逆行していて第10ハウスにあり、デトリメントです。与党(10ハウス)の堕落なり腐敗と読むことができるかもしれません。だから切り札を持っていたトランプが勝った?

 ちなみにトランプのn木星は、ギャンブルや勝負の第5ハウスいて出身です。ヒラリーは生まれ時刻不明です。

 政権与党が腐敗するのは普通のことです。やや説得力に欠けます。それに腐敗と選挙の勝敗はあまり関係がありません。日本では腐敗していた与党の自民党が勝ち続けた歴史があります。野党では腐敗のしようがありません。

 水星と木星は、いわゆるミュウチャルリセプション 、これがあるあるために、どっちが勝つか予断を許さないチャートだと言えます。ミュウチャルリセプションは、天体の交換が可能だとの説があり、それが正しいなら、どっちが勝ってもおかしくありません。

 この4年間考え続けてきました。

 

☆結果論

 結論、木星Rおとめがトランプを象徴し、水星うおがヒラリーを象徴します。4年間考えてこの結論に至りました。

 裕福なビジネスパーソン、不動産王トランプ、不動産は第4ハウスです。この木星Rは第4ハウス出身です。占星術では木星が富を象徴します。金星ではありません。トランプよりもインテリの弁護士のヒラリーは水星です。

 さてどっちが勝つでしょう?

 答え 逆行しているとはいえ木星R。木星Rはアセンダントサインを制圧しています。また水星は負けを示唆する標示が多すぎます。フォール、void, 太陽に接近するコンバスト、二つのマレフィックスにうおサインは制圧されています。

 ちなみに土星はメディアを示しています。夜チャートなので最悪天体です。トランプが勝ったのはメディアを圧倒したから、ヒラリーが負けたのはメディアがヒラリー優勢(金星うお?)と言い過ぎたから。

 木星Rデトリメントだから負けるとは言えないようです。これは単に型破りを示しているようです。逆行は、もちろんトリッキーに勝つことを示唆します。

 なお古典的かつ伝統的占星術では、いわゆる out of signコンバストを当然認めます。論理の混同は一部のモダンの得意技です。正統派の占星術ではモダンであれ非モダンであれ論理の混同はしません。だからこそ正統派です。サインやディグニティとアンダーザサンビームは別の論理です。

 

  英語本です。英語が苦手な方には不向きです。現代のマンデン占星術のネタ本は実はこれです。また現代のイレクションのネタ本もこれです。

Astrology Restored

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  • 作者:Ramesey, William
  • 発売日: 2014/11/28
  • メディア: ペーパーバック
 

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