新年あけましておめでとうございます。
新年早々、お腹いっぱいな内容ですが、ここは日本唯一の正統占星術処なので仕方ありません。
☆古典
本日は、a classic 、占星術の古典の書籍の紹介です。米アマゾンのレビューでは、その本について三名の者が classic(古典)と評価し五つ星を与えています。まさに古典中の古典!?
その三名のうち 故 Robert Blaschke 氏はアストロデータバンクにデータ登録されている著名占星術師でした。アマゾンでの彼の唯一のレビューです、彼の遺言?。現役時代世界屈指の占星術師だった彼ほどの占星術師がレビューを書かざるを得なかったほどの古典なのでしょう。
このレビュアー3名のうちの一人は、ロンドン在住の D. J. Mccann 氏。Mccann と言えば、1938-2011のアイルランド人の Maurice Mccann を連想します。ジャズミュージシャンから占星術師になった人で、the Astrological Lodge of London の議長を務めました。この言葉で検索するとわかりますけれど、このロッヂは現在も活動しています。レビュアーの Mccann 氏は占星術師ではないかと思えるのですが、故 Maurice Mccann 氏との関係は不明です。息子なのかもしれません?
20世紀モダンは古典化しつつあり、すなわち敬して遠ざけられつつあり、古典化の代表格がこれです。以後のモダンはなかなかこれを越えられません。全てではないものの多くはカーター止まり、ほぼ進歩がありません。心理占星術に逃げるしかなかったと言えます。星は、心理的には影響ある?
人間の心理はあてになりません(当たりません?、当たるように感じるだけ?)。妄想(海王星)は人類の宿痾、悲劇と喜劇の源泉、妄想しなくなったら人間でない、人でなしなのかもしれません。
The Principles of Astrology: Theoretical and Applied
- 作者:Carter, Charles E. O.
- 発売日: 2009/06/30
- メディア: ペーパーバック
☆新年開始からの1年
占星術的新年は春分から翌年の春分の直前までです。では1月1日から始まる[1年]の年運をみるときにはどうすればよいのでしょうか。
20世紀モダンの巨匠、CEOカーター(Carter)は、冬至図を使うことを提案しています。例えば2021年の年運をみるには2020年12月の冬至図を使います。判断しようとする期間この場合1月1日からの[1年]の直前のマンデン図をみるというプトレマイオス一流テのクニックを応用するなら、冬至図で年運をみるという手法は一理あります。
当店の店主サエルは、このテクニックを少し試してみましたけれど、いわゆる四季図については「春分図に勝るものなし」の印象です。ここでは1891年10月28日6:39amに発生した日本史上最大の内陸地殻内地震であった濃尾地震のトランジットで実験してみましょう。
以下チャート作成地点は東京です。1891年10月28日6:39amのトランジットにtを付します。
アスペクトはサイン単位。ただしアングルの合のみ3度以内です。
☆冬至図 vs イヴェント
1890年冬至図のASCサインはいてです。ICサインはおひつじです。
木星みずがめ ◻︎ 月おうし ◻︎ tMC ◻︎ t水星、t太陽、tASC & t金星さそり
政府を示すMCてんびん 合 t火星
10月28日はてんびんサイン月間です。この期間の第4ハウスはみずがめ。確かに、相応のコンフィギュレイションができています。しかし予言は無理です。このレベルだと大きなイヴェントが起きないこともあります。
☆春分図 vs イヴェント
1891年春分図のASCサインはおひつじです。ICサインはかにです。
金星みずがめ ◻︎ 火星おうし ◻︎ 月しし ◻︎ t水星、t太陽、tASC & t金星さそり
いわゆるグランドクロスができています
金星みずがめ 合 t ICしし
火星おうし 合 tDSC
10月28日はさそりサイン月間。この期間の第4ハウスはみずがめ。
MCルーラ土星Rおとめ12度 合 t月おとめ11度
後付けながらあまりにも明確に出ています。何事か起きるはずです。起きないとは言えません。しかし何が起きるか事前に言うのは困難です。t月はICルーラなので地震の可能性は高いのですがt月は速度が早すぎて予測困難です。それにかにサインなので海洋性の地震と読んでしまいます。占星術的にはそうだったのかしれません。日本列島は海に浮かんんでいるので。
ちなみに10月28日はふたごサインの日です。上述の土星R合t月おとめは第4ハウスで起きたことになります。さらに土星Rは死神です。その日のASCルーラt水星は強烈にコンバストされていて苦難の第6ハウスです。ただここまで読んでいいものか疑問です。
☆古典としてのカーター
年間予測に冬至図を使うテクニックはカーターの An Introduction to Political Astrology に述べられていたと記憶します。今手元にその本がないので確認できません。その本、アマゾン日本で中古で2万円以上します。もちろんそんな価値はありません。
カーターは、昨年ホラリーの邦訳本が出たルイスが尊敬する占星術師です。20世紀屈指の巨匠です。彼のグリーンブック(心理占星術辞典)はプロの占星術師のネタ本(古典?)でした。カーターと言えば、第一に辞典(グリーンブック)、第二に上掲の占星術原理、第三にアスペクト本です。この三つはモダンの古典です。モダンのマンデン本はほぼずべてダメです。サールとアブマシャー抜きのマンデンなどあり得ません。モダンでも非モダンでもです。またリリーがCAでマンデンについて書いてないのも19世紀モダンにとっては致命的でした。パクれなかったのです。リリーがモダンのネタ元である一つの傍証です。
バークレイ女史の歴史的著作 Horary astrology rediscovered, 1990 でもカーターのグリーンブックは参考文献として挙げられています。1996年の女史のカーターメモリアル講演は有名です。モダンの雄を記念するカンファレンスで old astrology の必要性についてレクチャーすると言うのも皮肉な話しです。あるいは道場破りだったのか。もっとも女史は大きく言えばリリー派なのでモダンの一種とも言えます。皆さまご存知の通りリリーはモダンの祖なので。
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