星は遺伝する

 有名人、有名な事件(例、災害発生)のチャートは”遺伝”します。イングレス図(代表例、春分図)も遺伝しますけれど発生図(イヴェント図)ほど遺伝力は強くありません。

 

 地震災害は、主としてコンジャンクションチャート(合チャート)の影響を受けます。日食図、新月図、火星合土星図などが重要な合チャートです。満月図は合チャートではありませんけれど合チャートに準じます。イヴェントやイングレスの直前の満月は新月並みに重要です。

 地震に限らず災害の予兆は、イングレス図である春分図にはそれほど明確に象徴的に出てこないことがあります。しかしながら全く象徴されないわけではありません。一年を代表するトランジットである春分図で示唆されていないことは原則起きません。示唆されていても起きないことはしばしばあります。イングレス図は宿命性があまり強くなく状勢や情勢(いわゆる運気?)を示しているだけなので。しかしながら情勢に流されやすいのは歴史が教えるところでもあります。

 

 1944年12月7日には昭和東南海地震が、1945年1月13日には三河地震が起きました。また1944年の春分図の管轄期間は大日本帝国の敗北と恐らくは滅亡が決定的になった年です。インパール作戦の失敗、サイパン陥落&レイテ沖海戦(事実上連合艦隊壊滅)。

 1945年も日本にとっては堪え難い年ではありました。しかし一方で新たなる希望の年でもありました。一億総懺悔。それに1945年春分図の管轄期間は不思議に地震災害が起きませんでした。1946年と1948年は地震災害史的には重要な年です。1949年から1993年まで日本は平穏期となりました。いわゆる(高度)経済成長期、バブル期でもありました。

 日本にとっては有史以来最悪の弱り目に祟り目であった1944年東京春分図を見てみましょう。

 

1944 03 21 0249amJST 東京

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 プラシーダスハウス方式でトランスサタニアンを入れたチャートはここにあります。

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/32f362e0d704ce7c645c56c97290d2be.html

 

 以下ハウス分割方式は全体サインいわゆるホールサインハウスを使います。

 ヘッドの真値はしし5度です。天王星がふたご5度です。しかし天王星を使わなくても説明は可能です。土星以遠の天体は使わない方がチャート読みの練習にはなります。天王星地震と関連が深いのは事実です。しかし土星までで約束されていなければかえって邪魔になります。

 ASCやぎサインで、夜チャートなので土星が最悪天体です。土星はASCルーラにして不運の第6ハウスにありますから、まさに弱り目に祟り目です。あるいは泣き面に蜂か。刺す火星もふたごサイン(←水星)なので。ちなみに蜂は水星が象徴します。ただサインとしてはふたごではなくおとめの関連です。

 なおプラシーダスで土星と火星は幸運の第5ハウスですから解釈に名人芸が要ります。全体サインハウス方式は直截的に事柄を示してくるので解釈が楽です。

 

 ところでここからが摩訶不思議な話し、あるいは星は時空を超えて”遺伝”することを理解しているなら常識的な話しかもしれません。人類史は”星の歴史”です。

 安政東海地震が起きたのは1854年12月23日で時刻は午前9時15分ごろだとされています。この日時で江戸でトランジットチャート(地震図)を立てると、ASCと月がみずがめです。みずがめは地震サインかつ”死”のサインです。

 

地震

1854  12  23  0915amJST   35n41, 139e45

直前新月はいて27度、金星やぎ3度とアンティション 

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 ホロスコピック占星術誕生を記念するような基本ツールであるテーマムンディの第1ハウスはかにサインで、そのASCルーラは月です。月は7天体中最速天体なのでイヴェントを予測するには最重要な天体です。それがASCルーラとなっているテーマムンディは使えるツールです。テーマムンディによるとみずがめは死の第8ハウス担当のサインです。

 地震図のICは1944年春分図同様おうしサインとなります。地震図の第4ハウスかつICルーラである金星はやぎ3度です。これは1944年春分図の第4ハウスルーラ火星ふたご26度とコントラアンティションです。また地震図の太陽&金星□春分図の水星おひつじ第4ハウスでもあります。第4ハウスは一族のハウスです。つまり昭和東南海地震安政東海地震の”血”を受け継いでいます。両者は南海トラフ地震の一族です。

 1854年地震図は昼チャートで最悪天体は火星です。MCルーラの火星はやぎサインの25度です。これは 1944年春分図のASCやぎ27度と合です。ASCは誕生点ですから、1944年は安政東海地震の子どもが生まれるかもしれない年です。

 

 1944年の春分図は地震が起きないとは言えないチャートですけれど、大きな地震災害が起きそうだと言えるほどの凶相ではありません。しかし1944年に安政東海地震の”血”をひく地震が起きそうかと問われればイエスです。アングル絡みなのでほぼ確実に起きると予測すべきです。

 念のため1854年の江戸春分図を立てます。昼チャートでASCはおうしサインで、ICはかにサインです。月はいてサインの19度で第8ハウスです。昼チャートの月が第8ハウスなので凶意含みの月です。しかもこの月はセクト的には最悪の月です。この月は1944年春分図のASCルーラの土星に1度差のアプライでオポジションとなっています。

 

1854年江戸春分

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 第4ハウスルーラの太陽がマレフィックハウスにあり、地震度数の0度なので地震が起きやすい年と言えます。その太陽を管理する最悪天体の火星Rも地震度数の0度で逆行しているので第4ハウスに侵入します。t火星はしし28度まで逆行して巡行に転じます。すなわちt火星Rしし□t土星おうしが形成されます。火星も土星もアングルのルーラなので冗談ではないことになります。

 

end