部分月食

 2021年11月19日17:57JST、ほぼ皆既に近い部分日食がありました。皆既に近いとは言え、部分日食にどれほど力があるか疑問です。皆既日食金環日食ほどの力はないとは言えます。この月食の各天体の位置は全世界共通です。異なるのはアングルの度数です。東京ではASCがふたごサインの21度、MCはうおサインの0度です。当然ICはおとめサインの0度です。太陽の位置はさそりサインの27度です、つまりこの月食図は夜チャートです。

 月食の影響として一つ確かなのは少なくともここ日本では地震と関連があることです。地母神である月は母なる大地の象徴ですから地震災害の関連であることは当然です。

 事実上当店が日本に持ち込んだ概念であるテーマムンディ(the Thema Mundi, 読み不明、テーマムンディとします)ではASCはかにサインです。すると第4ハウスはてんびんサインです。そのルーラは金星です。高揚ルーラは土星です。金星はおうしのルーラでもありますから、アース(地)の関連、つまり地震と関連があります。また言うまでもなく土星はアース(地)を強く象徴する天体です。

 さてこの月食図は夜チャートで最悪天体は土星みずがめ第9ハウスです。ASCがふたごでICがおとめですから水星は重要な天体です。

 卦1 水星さそり21度36分 アンティション 土星みずがめ8度08分

 

 日本のような地震超大国では、月食図をみたら地震を疑え、です。事前予測は非常に困難ですけれど、地震が起きたとすると、もっともなトランジットになっているはずです。

 2022年3月16日23:36、福島県沖を震源とするM7.4の地震が起き、死者が3人出ました。このときのt土星はみずがめ20度31分です。

 卦2 月食図の水星さそり □ t土星みずがめ

 

 土星は最悪天体であったことに留意です。

 卦3 月食図の土星みずがめ8度08分 □ t火星みずがめ7度44分

 

 二つのマレフィックが登場していますから何事か起きるはずです。

 

 なおここでは記述しませんけれどt天王星おうし12度も効いていたようです。

 

 この月食図の月はおうしサインでした。おうしを支配するt金星は、いわゆるプロミッタ(promittor)になるはずです。プロミッタなる用語はモダン占星術にも伝わっています。ただこの用語を知らなくても占いはできます。プロミッタというのは前送りと言うような意味で、伝統的にはディレクションで使う用語かもしれません。しかし本来の意味は上記したように前に送るという意味なのでトランジットでも使っても良いでしょう。ここでは、月食図の天体がシグニフィケータで、トランジットの天体をプロミッタとみなそう、というわけです。

 卦4 月食図の土星みずがめ8度08分 合 プロミッタのt金星みずがめ9度30分

 

 なおt金星は、t火星とt土星に“攻囲”されていることに留意です。t金星といえども良くないことの引き金となり得ます。モダン占星術の祖の一人であるウイルソンは“攻囲”は最悪の卦だと考えていたようです。

 

 仏の顔も三度まで。最悪天体の土星が4度も登場していますから何事か起きます。日本ならまずは地震を疑うべきです。

 

 ジュノまで持ち出すと、月食図の火星さそり13度 アンティション tジュノみずがめ16度。

 

 火星と土星で約束されていればジュノはダメ押しになり得ます。

 

 なお当方の個人的意見ながら、小惑星を使うならヴェスタにも注目すべきです。地震の予測の場合、ジュノを重視しますけれど、一般的に小惑星で一番重要なのは、小粒ながらピリリと辛いヴェスタです。

 月食図の月おうし27度 2分差のコントラアンティション tヴェスタみずがめ2度。

 

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