没後45年特別企画。
the “king of the Rock and Roll”、エルヴィス・プレスリー。1935年1月8日生まれ、Rodden rating AA、1977年8月16日42歳で没。
占星術は、本来“王”のための占術です。“王”を占う技術です。キングと称されるほどの人物は占星術システムがどう機能するかをよく示します。
第８ハウスはいわゆる死のハウスです。ただホロスコピック占星術の草創期には第7ハウスが死のハウスだったようです。その後、数百年かけて徐々に死のハウスは第７から第８に移りました。しかしながら現代においても第７ハウスも死と関連します。第８ハウスが黄泉下りのハウスなら第７ハウスは死を作るハウスです。第１ハウスが時間を作るハウス、誕生のハウスなので、没点を有するハウスである第７は当然死没のハウスであることになります。
現代においては、サヴァイヴァルの可能性を検討するには第８ハウスに注目することが恐らく必須なのでしょうけれど、どちらかというと第７ハウスないしDSCの方がサヴァイヴァル問題の検討に有用なケースもあります。第８ハウスマターに問題があるのに、その上、第７ハウスも容易ならざる状態になると、サヴァイヴァル問題は無視しえないものとなります。つまり伝統的占星術師の出番となります。伝統的占星術に予測はつきものです、それは備えをするためです。
エルヴィスの誕生図
http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/a0596277e884ce2021693be7f4b5018c.html
エルヴィスが亡くなった1977年8月16日のトランジットをみても後付けですらピントきません。エルヴィスの誕生図の第８ハウスはかにサインで、ｎ月はうお２度第４ハウスです。1977年8月16日のトランジットは、このｎ月に対しほぼアスペクトしていません。このトランジットで重大事態を予測するのは無理です。つまり備えをすることができません。この辺がトランジットの限界です。
しかしながら伝統的技法を使うと、トランジットに頼らなくてもある程度のことが言えるとともに、トランジットはダメ押し的に効いていることが理解できます。なおソーラーリターンないしソーラーリボリューションもトランジットですけれど、リターンは特徴あり過ぎのトランジットなので例外的に使えます。ただしリターンだけでの予測は無理があります。他のタイムロードシステムの組み合わせ必要です。
エルヴィスの誕生図は ASCがいてサインであることはほぼ確実です。木星は逆行していてさそりサインの18度です。これはリリーのｎ土星（９H）と同じ度数です。リリーはうおサイン上昇の生まれだとされていますから両者ともASCルーラは木星です。リリーはおうしサイン強調のチャートです。エルヴィスはやぎサイン強調のチャートです。両者のチャートには親和性があります。要するにエルヴィスは占星術の発展に貢献できるほどの難題のチャートです。
エルヴィスの42歳の一年間はふたごサイン第7ハウスの年です。伝統的占星術をやる以上、このことは強調しすぎということはありません。チャートを読んでいる間中念頭に置いておく必要があります。
セクトライトにして死の第８ハウスルーラの月はうおサインです。第７ハウスは一種の死のサインです。アングルのハウス絡みは避けることが難しくなります。第７ハウスと第８ハウスの死はどう違うのか、超難問です。作る死、作られた死か？。第７ハウス絡みの死はどうも事件事故の色彩が濃くなります。なお第８ハウスが事故死を表さないという意味ではありません。
危険な兆候１ 月は右側からふたごサイン（事故死？）を見ています。
見たからといって何か起きるわけではありません。しかし先ず見ないと物事は始まりません。
ちなみにバスルームで倒れているところを発見されたそうですから、後付けなら理屈付けできます。かにサインもうおサインも水のサインであり水回りの場所を示唆します。エルヴィス自身をよく象徴する木星さそりも水のサインですから、水辺と縁があります。確かに、ブルー・ハワイ、アカプルコの海、ガール！ガール！ガール！（Girls! Girls! Girls!）など海辺を舞台とする映画にいくつか出演しています。
さて、エルヴィスの誕生図におけるドロセウス式の the lot of death はふたごサインです。あるいは、このロットはホロスコピック占星術の伝説的開祖、ヘルメス式と言うべきかもしれません。
危険な兆候２ 死のロットが年度代表サインのふたごに入っています。
普通42歳で死没するとは予測しませんけれど、危険なこと、たとえば自動車レースや薬物などやっていれば例外です。人間に間違いミステイクはつきものです。死んでもおかしくない年に死を誘発しかねないミスをするのは危険です。
当店が日本に初導入し？最近日本でも知られ始めたアクシデンタルなASCを使うとどうでしょうか。すなわちふたごサインを第1ハウスとみなすとどうでしょう？
ふたごサインから8番目のサインはやぎです。エルヴィスはやぎサインに３天体のやぎサイン強調のチャートです。
危険な兆候３ その年度においては死のハウスとなるハウスの強調はリスキーです。
危険な兆候４ 年度代表星の水星はやぎサインです。水星はコンバストされています。
伝統的占星術師の助言が必要な年です。エルヴィスと同一生年月日でいてサイン生まれの人にとっては少々危険な年です。占星術師の助言に従えば恐らく生き延びられます。
危険な兆候５ その年度では死のハウスとなるやぎサインの月間は特に危険です。
仏の顔も三度まで。危険な兆候が５個ありますから、危険月間に行動を慎まないと、一か八かになります。
エルヴィスは１月８日生まれです。ゆえに８月８日ごろからやぎサイン月間となります。亡くなったのは８月１６日でした。この一か月間は自重すべき期間でした。
なお一度一年法のディレクションでは、42歳のASCの度数はやぎサインの24度です。ｎ水星はやぎ22度です。出生時刻を約8分早めると ディレクションのASC 合 n水星となります。ｎ水星は the lord of the year（年度代表星）でした。しかも死のロットのルーラでもありました。
以上述べただけで十分に危険な年、月間なのですが、加えてリターン図に問題があると不可避的な傾向が強まります。
1977年のソーラーリターンアセンダントはみずがめ29度です。死を作ることもあるDSCルーラは当然太陽です。死の第8ハウスルーラは水星です。年度代表星はｎ土星みずがめです。この年度に限ってはｎ土星へのトランジットは重大なことになる可能性があります。
事実上当ブログが日本に持ち込んだデシニエルズだと、1977年の8月16日は、水星－水星－水星－太陽（8月14日～8月28日）の期間です。
この時期、水星が死の星、いわゆる“死兆星”であることは上記してきた通りです。では最後の太陽は？。これはいわゆるダメ押しです。死のナチュラル表示天体は土星です。エルヴィスのｎ土星はみずがめ25度です。
エルヴィスが亡くなった日のｔ太陽はしし23度です。
ｔ太陽は一年に一回この度数を通過します。ゆえにトランジットだけでの予測は無意味です。しかしいつ死んでもおかしくないような卦が４つも５つも重なったときは別です。占星術にもとづく適切な管理能力がないと事が起きてしまいます。
“王”の死となると日食、特に皆既日食の検討は欠かせません。
1976年10月23日、日本時間（JST）14:10に皆既日食がありました。以前述べたように日食は“王”の死を予兆します。エルヴィスの出生地でチャートを立てるとASCはししサインとなります。そのルーラ太陽は、当然に王的な人物を象徴します。
日食のような特別なマンデンチャートは世界的な影響があります。しかしアングルは正直です。その地に関係あることを的確に示します。エルヴィスの出生地でこの日食のチャートを立てると、ASCはしし2度、IC（←その地）はてんびん22度です。このチャートはてんびん強調のチャートで、水星てんびん19度、ICてんびん22度、日食てんびん29度です。これらはいわゆるヴィアコンバスタ（ヴァイアコンバスタ）です。燃え尽きを示唆します。てんびんサインのルーラの金星はいて3度です。つまり芸能人の“王”を象徴します。
エルヴィスのｎ水星やぎ22度 右側からの□ 日食のＩＣてんびん22度
エルヴィスのｎ月（誕生図の死の女王）うお2度 右側からの□ 日食の金星いて3度02分
誕生図と日食図だけでは、何事か起きるかどうかわかりません。しかし起きないとは言えません。
なお事後でないと無理な読み方ですが結果的には次のようなタイミングで事が起きました。
日食図のＭＣルーラの火星は自宅を示すさそり9度第4ハウスです。アングル絡みなので不可避的傾向濃厚です。さそりは水のサインですから水回りを示唆します。この火星のコントラアンティションはしし20度です。エルヴィスが亡くなった日のｔ土星はしし20度です。土星は日食図のDSCルーラ(maker of death)でした。
日食図の火星のコントラアンティションしし20度 合 ｔ土星しし20度
コントラアンティションなので運命的な凶事でした。
皆既日食図
http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/07ab5e2fb0a2603e083d7b5d8569e63a.html
end
