Encyclopedia of Astrology

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 伝統的占星術向けの満足に使える占星術事典は残念ながらありません。モダン占星術用でもあまりないのですけれど一つ挙げるならこれです。

 占星術辞典ないし占星術事典の最高峰は、ニコラス・デ・ボア(Nicholas DeVore)のEncyclopedia of astrology でしょう。この書籍のネタ元の一つが19世前半(1819年?刊)の James Wilson 著の辞典(dictionary of astrology)です。事典としてはWilson よりデ・ボアのほうが使えます。ただし Wilson はモダン占星術の大きなネタ元の一つであり、占星術への貢献ということではデ・ボアより上です。

 デ・ボアの事典は Web で全項読めます。

https://www.astrologyweekly.com/dictionary/ 

 

 この事典の最大の泣き所は、1947年刊であることです。旧過ぎます。当時、伝統的占星術は事実上死滅状態でしたから、この事典はモダン占星術のための事典です。とはいえ伝統的占星術の用語も少し載っています。たとえば azimene, hayz, geniture, planetary ages of man, planetary years など。しかしセクト、ホールサインハウス、タイムロード、アヴァージョン&オーヴァーカミングなどは当然載っていません。Reception は載っていますけれど適切な説明がなされていません。モダン占星術が何を失ったかを知るにはかなり向いている事典です。しかしながら数々の弱点にもかかわらず現時点でもベストの一つです。

 

☆Ages of man

 デ・ボアの辞典に載っている ages of man と当店が使っているそれとは、年齢が1年(から2年)ずれています。デ・ボアが示している年齢域は数え年です。0歳を1年目としてカウントしています。当店のそれは満年齢です。さらにデ・ボアには計算間違いがあります。太陽の期間は19年なのに20年になっています。モダン占星術的に、この時代はこの天体がよく働くとい程度の使い方であれば、少々のずれはokですけれど、当店みたいに ages of manとプロフェクションで一年一年を予測しようという場合、ずれはNGです。

 

☆Planetary years

 デ・ボアの事典のこの項は一読の価値があります。伝統的7天体は、それぞれ、短期(マイナーまたはレッサー)、中期(ミドル)、長期(グレイター)&最長期(グレイテストまたはマキシマム)の各年数を管理します。たとえば太陽のマイナーイアー(短期)は19年、最長期は1460年です。

 マイナーではなくレッサー(lesser)を使うこともあります。レッサーのほうが業界標準かもしれません。デ・ボアではマイナーでもレッサーでもなくショート(short)という用語を使っています。

 

  webで無料で読めるので、中古の価格次第ということになるかと思います。

Encyclopedia of Astrology

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