オルカンと有事

 投資は自己判断と自己責任のアートです。Art というのは訳しにくい言葉ですけれど、この場合ほぼ技術ないしスキル(技 or 業)という意味です。創造と想像の熟練的発露とでも表現すれば当たらずとも遠からず、でしょうか。

 結果資産が増えるのであればラッキーですし、場合によっては大損することもあります。だから自己責任でやるしかありません。“ラッキーさの追求「いのち」”の占星術愛好家にとっては、投資は必須のスキルと言えるかもしれません。

 

 投資信託における投資の世界では、人気の二つのインデックス、オルカン(全世界株式)かS&P500かの論争があります。どちらかを推す意見もあれば、それは好みの問題、と曖昧さに逃げる意見もあります。日本らしい論争です。米国では答えははっきりしていてS&P500の圧勝です。しかしここは日本ですので、この問題をどう考えるべきか、当ブログの意見を投下します。

 

 オルカン派はカントリーリスクを軽視し過ぎています。当店の考え方ではオルカンに投資することは国益に反する、これです。とはいえ投資は自己責任ですから、国益など知っちゃいねえなら、どちらでもお好みでどうぞ、です。

 

 「株式市場は米国にしかない」 川田社長

 

 エグゼトラスト株式会社、代表取締役、川田重信さんは、米国株式啓蒙家を自称しているだけあって強力な米国株推しです。このアフォリズム、極言にして名言です。実際そうなのでしょう。

 

 オルカン派の論客なら、同様の熱量でオルカンを推すこともできましょう。しかし上の名言だけは無視できません。これはアフォリズムですのですので物理法則のようには機能しません。しかし訓話的にはその通りだと言えましょう。

 世界第二の経済大国にして二十年後?には世界一の経済大国となるらしい China には米国のような株式会社はなく、よって株式市場もありません。

 今、業界ではインド株が熱いのですけれど、インド株を外国人の個人が買うことはできません。買えるのはインド株の投資信託だけです。今最も勢いのある新興国であるインドですらこの有様です。

 翻ってわが祖国日本はどうでしょうか。株式会社は株主の所有物であるという意識は多分希薄だと思います。そのうえ総会屋のような株式市場にとっては好ましからざる勢力が跋扈していたのは皆さまご存じの通りです。

 中央銀行の日銀は大量のETFを買って保有しています。2023年8月時点で約37兆円。あまり褒められた株式市場とは言えません。

 とはいえ日本人が日本の株を買うのは国益的には適っているのでしょう。特に自分の意思で、応援するに値すると思う会社の株を買うなら。もちろん日経225インデックスを買うのもokです。株価が上がって困る人はほとんどいないはずです。それに理屈の上からは株価が上がり続ければ賃金も遅れて上がってくるはずです。

 株式市場は米国にしかないのだとすると、日本人が外国の株を買うとすると米国一択で、その代表的インデックスはS&P500ということになります。

 

 投資は自分の自由意思でするものです。他国への武力侵攻を公言している国の会社の株を買って投資する、あまりにも政治的な配慮に欠ける行為だ、これが当店の考え方です。

 ゆえにオルカン新興国全体のインデックス株を買うのは、日本人としていかがなものか。こういう意見をあまり見かけないのですが、平和ボケを謳歌できるがゆえなのかもしれません。しかし占星術的には平和ボケと戦争はセットです。株式の暴落と稲妻のごとき上昇がセットのようなものです。どちらか一方だけ享受できません。

 暴論?ですが、日本有事が嫌なら、または日本有事をなるべく先送りしたいなら、オルカンに投資するのは避けましょう。

 

 China に米国のような株式市場はありません。China に株式市場がないことは高橋洋一“償却大魔王”が説明してくれています。話し半分に聴くにしても China 企業の株を買っても、金儲けはできるかもしれませんけれど、その企業をシェアできるわけではないことはその通りです。

 そんなものあるわけねえの話しは12:20頃からです。

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