Ages of man (3)

Ages of man (3)

占星術の予測テクニックの生地
 日本では当ブログが事実上の草切りであるages of man(AOM) をどう訳す?、まだ定訳はないようです。このコンセプトの起源はヘシオドスあたりです。ヘシオドスが重要なのは、歴史は進歩する方向に進むとは限らない、進歩が日常の現代人には意外な?この歴史観を提示したということでしょう。これは歴史家の岡田英弘氏が指摘しています。退歩の歴史は占星術の歴史にも概ねあてはまります。
 AOM の占星術的な起源はプトレマイオスでしょう。ヘシオドスの影響があったかどうかは不明です。
 シェイクスピアの the seven ages of man は、おそらくプトレマイオスの影響だと思います。日の下に新しきものなし、です。聖書ほどではないものの、西洋の文学に占星術は結構な影響を与えています。例えばダンテやシェイクスピアなどにです。


 占星術のタイムロードの ages of man は基層ないし生地みたいなものです。生地の応用や変型(バリエイション)は無限ですけれど生地の制約から逃れることはできません。一般に14-21歳が婚活期、22-40歳が社会人期、40歳はいわゆる初老です。41-55歳が中年期です。かつては55歳が定年でした。56歳-67歳が実年期または熟年期です、占星術的には。68歳からが死期です。これに当てはまらないチャートもあります。そういうチャートはそのことを示唆しています。後述するグレイブルがその代表です。

ベティ・グレイブル
 サイレント時代のアメリカの恋人、メアリー・ピックフォードを別格とすれば、グレイブルは、映画史上、最初の大人の女性の大衆的大スターです。1940年代に最も人気があり稼ぎもよかった女優(♀)はベティ・グレイブルです。グレイブルは金星の権化ですから占星術的に重要な女優です。土星期ではなく木星期に死去しています。

 余談ですが、かつての中学の英語の教科書「ジャック&ベティ」のベティは、ベティ・グレイブルの影響があったのではないかと思います。ベティの容姿は明らかに?グレイブルに似ています。

 グレイブルの誕生図では第8ハウスがうおであり、木星期に死亡するリスクがあるチャートです、健康管理を怠るなら。グレイブルのチャートで健康管理はやぎサイン(内の水星と火星)とかにサインの土星Rが象徴しています。本人を示すASCルーラ太陽はいてサインです。太陽はやぎサインもかにサインも見ていません。健康管理など眼中にない。つまり寿命を延ばすほどの健康管理の実践は非常に困難です。死神である木星Rはおひつじサインであり、火星やぎ in 病気のハウスは木星Rを□で見ています。すなわちオーヴァーカミングです。また太陽もおひつじを△で見ています。つまり火星も太陽も、死神である木星Rの要求(木星期での死)を受け入れます。こういう点では占星術は運命的です。火星はICルーラですから、木星期に死亡するような遺伝子を持って生まれてきたことを示唆します。
 では木星期の12年間のうちでリスクが高い年はいつでしょうか?。ASCが木星関連のサインの年です。すなわち56歳おひつじ、64歳いて、67歳うおです。これら3年のうちいつが危険か、ある程度予想できますけれど、AOMとプロフェクションだけで予測するのは無謀です。リターンなどの精密な高コストのテクニックでの検討が必要です。
 しかし一度一年法のディレクションが使えるようなチャートならリターン図なしでもある程度予測できます。

 一般にDSC(没点)とIC(終了)は死を象徴します。一度一年法でDSCを進行させると56歳に、進行させたDSC 合 n木星Rおひつじとなります。と同時に、進行させたIC 合 nヘッド(真値)やぎ in 病気のハウス となります。二つのアングル軸が一致して似たような卦を示すときは極めてリスキーです。生まれ時刻が正しいなら56歳は不可避的な年となるかもしれません。実際56歳で死去していますから、このチャートの生まれ時刻は相当に正しいのであろうと推定できます。
 次回はグレイブルのチャートで婚期の検討をしてみたいと思います。

 

 

 気合は大切です。特に占星術やるには。

 

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