コンバスト

 太陽に対してオリエンタル、オクシデンタルというのは古代においては重視されていました。モダンではほぼ使われないですが。職業の選定などについては、オリエンタル、オクシデンタルはほぼ影響がないので、モダンの考え方も一理あります。いわゆる伝統的占星術派でも、初級レベルでは、オリエンタル、オクシデンタルは使わないメソッドもあります。チェックすべきことはあまりに多いので。一つの料理に多くの調味料を投入すればより美味しくなるかと言えば、そういうものでもありません。現代の立場からの吟味が必要です。我々は伝統”的”占星術しか実践できません。

 太陽に関してはコンバストやアンダーザレイがより重要です。ここではコンバストに的をしぼって論じます。コンバストはモダンではほぼ使われないテクニックと思っている人がいるようなのですが、それは誤解です。モダンでコンバストを使わない流派は単に勉強不足なだけです。モダンでもコンバストは使われています。日本のモダンで、コンバストを重視したのは石川源晃氏です。石川氏が占星術を教え始めた頃、日本ではコンバストはほとんど知られていませんでした。日本にコンバストを普及させたのは多分石川氏の功績です。

 ホラリーならコンバストは最悪の卦ですから、伝統軽視の夢想的(海王星)モダンといえども、コンバストを使わないなど、ありえません。事実、リリー以来のホラリーの使い手、ジェイコブソン女史は、コンバストを使っています。女史は、リリーの影響を受けながらもホラリーなのに冥王星まで使う歴とした(れっきとした)モダン占星術派です。

 むしろ現代の伝統派の中で、コンバストについて意見が割れているのが問題です。太陽がおひつじサインやししサインで、水星も太陽と同一サインならコンバストされないという、珍説があるようです。

 水星の最大離角は28度ぐらいだったはず、なので水星は甚だコンバストされやすい。水星は、頭脳、知力、言語能力などを管理する重要な天体です。その水星がコンバストされないというなら、太陽おひつじサイン、太陽ししサインの人は、集団的に随分と優秀なはず。しかしそんな事実は全く観察されません。ディグニティとコンバストは別論理のテクニックです。ただ両者を混ぜて現代的なテクニックとして使うのはありです。特にホラリーでは結構効くはずです。こうなるとモダン派なのか伝統派なのか不明です。伝統的占星術なる用語は実に便利です。的をつけておけばモダンと勘違いされなくなります?。

 古典や伝統を看板にしながら隠れモダンが多いのが日本の実情です。当ブログを立ち上げた動機の一つでもあります。

 日本の古典派や伝統派の多くは、実はモダン”的”でした、このお決まりのオチになることが多い、個人的印象ですが。その占星術師が隠れモダンであることを論証するのは困難です。誕生図がわかればある程度わかります。海王星に特徴があるのは隠れモダンの疑いがあります。

 

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