~ the father of modern astrology。
アラン・レオはモダンン占星術の父(太陽)、こう呼ばれるぐらいですから、太陽が管理するししサイン強調の生年月日です。テイル、木星、太陽、水星R、土星がししサインです。父を象徴するかもしれない太陽も土星もししサインです。アセンダントもししサインとされていますけれど、彼の誕生図の Rodden rating はBですから、これはあてにしないほうが好ましい。しかしMCサインがおうしというのは、ありそうな話しです。MCルーラの金星Rかに18度と天王星ふたご11度はアンティションだからです。
なお、かにを管理する月おひつじとふたごを管理する水星Rしし20度は△(トライン)の関係です。アラン・レオは占星術師としては“にわか”でしたけれどオーガナイザーとしては20世紀最強でした。
モダン占星術を含む正統占星術を看板とする当店的にはアラン・レオの著作を読まなくても正統な占星術を実践する上で困ることは何もありません。
しかしながらスピリチュアル指向(接神指向?)の異端的なモダン占星術をやりたいならアラン・レオの著作は古典です。
モダン占星術は当ててはいけないという説が日本にはあるようですが、これはモダンの建前です。本音(本能)は違います。アラン・レオが裁判で訴えられたため、しかたなく陣営はこれを看板的政策としたまでです。モダン派であれ伝統派であれ、占星術である以上、的に矢を射る行為(←いてサインが象徴)すなわち当てる行為に熱中するのは性(さが)、本能です。走るのが馬の本能なのと同様です。12サインで唯一の射手(しゃしゅ)はいてサインで、その下半身は馬です。
事実、アラン・レオは当てるための本も書いています。その代表が当ブログの前回の記事で紹介した the progressed horoscope です。この本は当てるための本でレオの代表作の一つです。この本ではアラン・レオは(何と?)プライマリーディレクションについても相当数のページを費やして記述しています。
アラン・レオは約30冊の本を書いたようです。しかし有名なのは次の7冊の astrology for all シリーズです。初版の出版年を付記しましたけれど正しくないかもしれません。
出版年
Astrology for all 1899
Casting the horoscope 1912
How to judge a nativity 1904
The art of synthesis 1912
The progressed horoscope 1905
The key to your nativity 1910
Esoteric astrology 1913
アラン・レオが裁判に訴えられたのが1914年とされています。上記の7冊は、それ以前の出版ですから、当てるとか当ててはいけないとかは、意識せずに書かれています。
これら7冊のうち当てるための占星術指向が強いのが How to judge a nativity と The progressed horoscope です。後者の第2章のタイトルはかの有名な「character is destiny」です。
今から記述することは日本では誰も触れていないことかもしれません。How to judge a nativity において、アラン・レオは、12サインのルーラーシップに土星までの伝統的7天体を充てています。同書の26ページに12サインの性質の一覧表があり、Rulerの列には伝統通りの天体が記載されています。モダン占星術の父とされるアラン・レオさん、なかなかやります。すると、みずがめのルーラが天王星、うおのルーラが海王星と、ほぼ根拠のない割り当てを公式化したのはレオの弟子たちなのかもしれません。
当たる感がしないという弱点はあります。しかし近く邦訳が出る The key to your own nativity (「アラン・レオの占星術」)はスピリチュアル指向の占星術をやりたい人にとっては原点的文献です。また神智学者(theosophist)としてのアラン・レオの集大成的著作であることは間違いありません。20世紀モダン占星術派にとってはやはり必読の書と言えましょう。
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