心理占星術

 日本語環境にいるとなかなか気づけません。世界、実質英米占星術の動向と日本で流行っている占星術はいささか趣を異にしていることに。例えば psychological astrology、心理占星術

 心理学は1781年発見の天王星で象徴されます。しかし心理占星術は1846年発見の海王星で象徴されるアートです。

 天王星で象徴される心理学は、歴史的にはグスタフ・フェヒナーが重要です。フェヒナーは実験心理学の先駆者です。彼の生まれ時刻は不明です。しかし月かにサインであることは間違いありません。おそらく月かには水星おひつじから□でセパレイトし、水星が管理する天王星Rおとめ28度に*でアプライしているのでしょう。

 一方心理占星術の先駆者の一人が 1946年生まれの Stephen Arroyo です。海王星、太陽(セクトライト )&水星がてんびんです。アングルに最もアドヴァンシングしている天体は当然のように海王星で、てんびん8度です。DSCてんびん7度。占い師にとっては最重要な月はみずがめ23度、心理学を象徴する天王星Rはふたご21度第3ハウスですから、心理占星術界の大御所的ライター(writer)です。

 

 心理占星術は20世紀の偉大な発明です。占いというのは胡散臭いものですけれど、その中でも臭すぎるのが心理占星術です。言ったもん勝ちの世界です。ユング心理学占星術に持ち込んだのはディーン・ルディアらしい。現在、リズ・グリーン女史が心理占星術界のトップライターです。日本にはマギー・ハイドさんの邦訳書がありますけれど、それは本国の英国ですらあまり売れていません。ほぼ無視されているような状況です、英国アマゾンでレビューなしですから。米国のアマゾンでですら1件のレビューしかありません。goodreads での評価では、15票の評価平均が3.93点です。レビューはありません。4点未満の評価は並の評価と言えましょう。優良可の「良」です。これが世界の現実です。とはいえ心理占星術に興味があるならマギー本は必読でしょう。英語本なら使える心理占星術系の本が結構ありますけれど日本語本となると使えるものはマギー・ハイドさんとノエル・ティル本ぐらいしかありません。リズ・グリーン女史は占星術師ではないので実践には使いにくからです。

 

 ちなみに使える心理占星術系の英語本の筆頭は、ワンダ・セラー女史の the consultation chart(4.00)です。(  )内の数値は goodreads での評価点です。

 ガチガチの心理占星術ファンには物足らないかもしれませんけれど、ロバート・ハンドの Horoscope symbols(4.48) は心理占星術色が濃い名著です。モダン占星術をやるなら手元に置いておきたい一冊です。

 

 ところが、ここ日本でも時々びっくりするような英語本の邦訳書が出ることがあります。ベルナデット・ブレイディ(バーナディット・ブラディ?)さんの恒星本の邦訳書が出版されます。邦訳書のタイトルが少々紛らわしい。ブラディの~と付いているので Brady’s book of fixed stars の翻訳書なのかと思いきやそうではなく、star and planet combinations の方です。ブレイディさんは、ロブソン以来の恒星占星術の書き手です。ロブソンの恒星本は古典ではありますけれど、邦訳するには今更感がありすぎます。

 Star and Planet Combinations の goodreas での評価は16票で平均4.56 です。「優」評価と言えます。高価ですがこの恒星本はマギー本の数倍の価値があります。占いの実践的にはです。恒星と言うのは不思議に当たります。特に心理的にはシビれるほど当たります。使い方次第では、心理占星術にも応用できるはずです。恒星と神話は関連が深い。神話は心理学の大きなリソース(供給源)です。