ヘッド&テイル

 2021年6月4日(金)、映画ボヘミアン・ラプソディが地上波で放送され、パールシー(ペルシア人ゾロアスター教徒)なる言葉を日本国民の相当数が耳にした時代になりました。それにしてもファルーク・バルサからフレディ・マーキュリーに改名するとは出来過ぎです。こんなところにも占星術の法則が機能していることが見て取れます。念のため付言します。マーキュリー(水星)は、両性具有的な神です。

 なお放送当日の午後9時の東京でのアセンダントはやぎサインです。ヘッド、太陽&水星R(宗教、占星術)がふたごサインです。二つの社会天体の土星Rみずがめと木星Rうお(ペルシア?)、セクトライト の月おひつじ(国民?)は右側からふたごサインを見ています。月と火星かにはミュウチャルディスポジションです。

 フォールの火星(疫病)と第6ハウスふたごは、45歳で病没したミュージシャン(←実は?当然?火星が大事)が主人公であることを示唆しているのかもしれませんけれど、”読みすぎ”かもしれません。

 

 古代ローマで流行った謎めいた宗教にミトラ(ス)教がありました。この宗教の特徴は占星術的には次の2点が注目的です。ほぼ唯一の占星術的宗教であったことと太陽神崇拝です。第9ハウスは宗教のハウスであり太陽神のハウスです。

 

 イラン-インド共通の古い神であるミスラ神(太陽神?)を信仰する宗教であったミトラ教と古代の占星術興隆期は概ね共通します。紀元前1世紀から紀元後4世紀までです。ただし両者の関係は不明です。6世紀はじめか7世紀はじめとされる古代最後の主要占星術師レトリウスの時代にはミトラ教は消滅していたと思われます。しかしレトリウスの時代はサーサーン朝の全盛時代(6世紀)であった可能性が高い。サーサーン朝の国教はゾロアスター教です。この時代のゾロアスター教ではミスラ神への信仰が盛んだったようです。そのせいかどうかサーサーン朝は占星術史に名前を刻むこととなりました。古代ローマ帝国では事実上消滅した西洋占星術が生き残ったのはサーサーン朝のおかげです。

 サーサーン朝の影響なのかどうか不明ながら、レトリウスは、やや異端ぽいと言うか、エキゾチックな感じがする一方、史家のホールデンが言うように”宝の山”です。サインやハウスの研究、職業の見方、ヘッド&テイルの資料などとして、レトリウスは欠かせません。

 

 さて、本日のお題は、アセンディングノード(ノースノード)&ディセンディングノード(サウスノード)です。

 月のノードないし Nodes(ヘッド&テイル)は、伝統派でもモダン派でも諸説紛々です。

 西洋つまり古代ギリシア語圏の時代からノードはあります。

 しかし西洋ではノードを使うテクニックはあまり発達しませんでした。ノードが重視されたのは、ホロスコピックアストロロジーがペルシアやインドに伝わってからです。

 西洋モダンのノード説は、インド占星術の影響を中途半端に受けています。ヘッド&テイルなる呼び方は多分インド占星術の影響です。

 リリーの時代までは普通に使われていたノードが再び注目されるようになったのはモダンの巨匠セファリアルの影響です、多分。もちろんミッドポイント派(コスモバイオロジー)の影響も無視できません。

 

 なんでもありのヘッド&テイル説において、一つ言えるのは、テイルとの合は、誕生ャートでも相性でも宿命的にほぼ悪い意味にしかならないということ。

 テッドバンディは木星さそりと火星いてはモダン占星術で言うところのミュウチャルリセプションです。死の第8ハウスルーラの木星(恐怖の大王)はICと3度差の合です。火星はテイルと2度差の合です。ASCルーラの太陽とセクトライトにして裏切りの第12ハウスルーラの月もいてです。太陽と火星は放浪状態です。

 いてとふたごは事件事故のサインです。バンディのようなチャートで、ふたご&いての軸にノードが入るのはリスキーです。

 最悪天体の不運の第6ハウスルーラ土星Rしし第1ハウスは、右側からさそりサインといてのサインを見ています。バンディは、6天体がさそりといてに集中しています。6天体全てアドヴァンシングな状態ですから実行的です。著名シリアルキラーになるとまで予測できません。しかし犯罪行為を何もやらない人でないことは事前にわかります。星は強制はしません。しかし星の影響から逃れるのは甚だ困難です。優れた教育者による修身が要ります。バンディにはそいうチャンスがなかった。あったとしても本人がそのチャンスを活かせるかどうか。

 一般に誕生図よりも本人そのものの方が重要です。

 

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