ソーラーリターンの謎

 読みにくしいわかりにくかもしれません。フリーの記事なので。それに本的的占星術は甘くありません。難しいのが標準です。しかし内容は第一級です。日本占星術史上最高水準の記事、だと幸いです。

 

 日本ではともかく英米のモダン占星術業界ではながらく問題となっているチャートがこれです。ボブディランの1966年、25歳のソーラーリターンです。リターン図の作成地点はディランの出生地, Duluth, Minnesota, United States です。

 一般にソーラーリターンは出生地でチャートを立てます。その時々の居住地で立てても良いのかもしれません。しかし、その人物がその年どこに住んでいたのか調査するのは面倒です。

 ただし交通事故のようなものは、居住地で立てたほうが適切に象徴されるかもしれません。このへんは未解決の問題です。ただし出生地で立てた時に全く示唆されていないことは居住地で示唆されていても起きないはずです。これもまだ検証不足ではありますが

 占星術の大きな仕事の一つが予測であるとするなら、19世紀以降のモダン派の大きな問題の一つがタイムロードシステム(その代表がプロフェクション)を失ってしまったことです。当たると言うことでは最強クラスのトランジットであるリターンを立てたところで、タイムロードなしでは、どうしてもギャンブル運試しになります。

 なお以下、例によってハウス分割は全体サイン方式を使います。当ブログでは特に断らなければハウス分割は、いわゆるホールサインハウスです。ホールサインハウスとセクトは当店の二大看板です。

 

https://horoscopes.astro-seek.com/calculate-solar-return/?send_calculation=1&muz_narozeni_den=24&muz_narozeni_mesic=5&muz_narozeni_rok=1941&muz_narozeni_hodina=21&muz_narozeni_minuta=05&muz_narozeni_sekunda=00&muz_narozeni_city=Duluth%2C+United+States&muz_narozeni_mesto_hidden=Duluth&muz_narozeni_stat_hidden=US&muz_narozeni_podstat_kratky_hidden=Minnesota&muz_narozeni_podstat_hidden=&muz_narozeni_input_hidden=Duluth%2C+United+States&muz_narozeni_podstat2_kratky_hidden=Duluth&muz_narozeni_podstat3_kratky_hidden=Duluth&muz_narozeni_sirka_stupne=46&muz_narozeni_sirka_minuty=47&muz_narozeni_sirka_smer=0&muz_narozeni_delka_stupne=92&muz_narozeni_delka_minuty=6&muz_narozeni_delka_smer=1&muz_narozeni_timezone_form=auto&muz_narozeni_timezone_dst_form=auto&send_calculation=1&zena_narozeni_rok=1966&zena_narozeni_city=Duluth%2C+United+States&zena_narozeni_mesto_hidden=Duluth&zena_narozeni_stat_hidden=US&zena_narozeni_podstat_kratky_hidden=Minnesota&zena_narozeni_podstat_hidden=&zena_narozeni_input_hidden=Duluth%2C+United+States&zena_narozeni_podstat2_kratky_hidden=Duluth&zena_narozeni_podstat3_kratky_hidden=Duluth&zena_narozeni_sirka_stupne=46&zena_narozeni_sirka_minuty=47&zena_narozeni_sirka_smer=0&zena_narozeni_delka_stupne=92&zena_narozeni_delka_minuty=6&zena_narozeni_delka_smer=1&zena_narozeni_timezone_form=auto&zena_narozeni_timezone_dst_form=auto&house_system=whole&hid_fortune=1&hid_fortune_check=on&hid_vertex=1&hid_vertex_check=on&hid_chiron=1&hid_chiron_check=on&hid_lilith=1&hid_lilith_check=on&hid_uzel=1&hid_uzel_check=on&orb=3&hide_aspects=0&zmena_nastaveni=1&aktivni_tab=#tabs_redraw

 

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 出生地だけのこのソーラーリターン図と誕生図で事故を予測するのは困難です。後付けなら事故を理屈付けできます。しかしこの程度で重大な事故を予測するとすればほとんど毎年のように事故の心配をしなければならないことになります。以前述べたようにリターンとプロフェクションはセットです。プロフェクションで示唆されていないことはリターンがどうであれほぼ起きません。もちろんプライマリーディレクション(によるディストリビューション)の影響の方がより深刻ではありますが。

 1966年7月29日、ニューヨーク州ウッドストック自宅近郊でディランは自身の愛車のオートバイに乗って事故にあいます。この事故は、ディランの人生行路に大きな影響を与えました。事故を口実に?隠遁。

 プロフェクションでは25歳はやぎサインの年です。ディランのASCサインはいてですから、ASCサインは隠遁のハウス=サインに該当します。

 ディランの誕生図は、夜チャートですから土星が最悪天体です。プロフェクトさせたASCであるやぎサインから3番目の交通のハウスはうおサインです。はてして、そこには火星がいます。火星には多くの意味がありますが一般に火星を見たら先ずは事故を考えます。少なくとも当ブログ的にはそうです。第3ハウスですから兄弟喧嘩か交通事故です。

 ディランの第1ハウスには天体がありません。ゆえに第6ハウス木星おうしが彼自身をよく象徴します。第6ハウスは不運のハウスです。火星*土星、月&木星おうし。二つのASCルーラが登場しています。アングル絡みなので何か起きます。起きないとは言えません。*なので多分死ぬようなことにはなりません。*なのでこれを奇貨(絶好のチャンス)とすることができます。なお伝統派でもモダン派でも月と火星が登場したら先ずは事件事故を連想すべきです。

 ところで天王星もおうしサインです。モダン派の立場では、月と火星、火星と天王星が事故の表示です。これ自体はウソではありません。ただし土星までで約束されていればです。天王星が駄目押しになることはよくあります。

 さて25歳のソーラーリターンのASCはやぎです。もうほとんど説明不要で、第三者の立場的には事故はほぼ不可避と予測できます。念のためASCルーラの土星の位置を確かめると、はたして第3ハウスうおにいます。事故のナチュラルシグニフィケータの火星はどうでしょうか。

 リターンの土星うお * リターン火星おうし

 (誕生図の天王星おうし26度 合 リターンの火星)

 誕生図の木星おうし29度 合 リターンの火星おうし27度

 リターンの木星かに3度 合 リターンのDSCかに5度

 

 リターンの木星は交通のハウスのルーラであり、誕生図では木星はディラン自身です。DSCかには誕生図では恐怖の第8ハウスです。交通の問題で恐怖を味わうことはほぼ確実です。

 ところで交通事故が起きるのはいつでしょうか。誕生図の木星と火星は2度差ですから誕生日の約2ヶ月後です。リターンの木星とDSCも2度差ですから2ヶ月後は本当に危険です。車に乗らないというのは無理な話しですがバイクはやめた方が無難です。車に乗っていても事故は起きたはずですがもっと軽傷で済んだかもしれません。

 なお事故時、奥さん(DSC)が運転する車がディランのバイクの後を走っていたそうです。バイクを修理に出して、奥さんの車で帰宅する予定でした。事故にあってその奥さんの車で帰宅したそうです。もちろんこんなことは後付けでないとわかりません。

 

 なおプロフェクションですと誕生日から3ヶ月目が危険です。誕生日が5月24日ですから7月25日ごろから3ヶ月目に入ります。事故は7月29日に起きました。

 事故時のt土星はうお29度です。n木星おうし29度*t土星

 なお誕生図のドラゴンテイルの真値はうお29度です。以前述べたようにテイルとの合はほぼ悪い意味にしかなりません。ただし隠遁には向いている時期です。

 

end