巨星カーター

 巨星。例えばMCと合の星です。度数が近いほど巨大な星なのかもしれません。

 

 以下アスペクトは原則サイン単位でみます。当ブログではアスペクトは原則全体サインアスペクトを使用します。

 

 占星術や占いに深入りする人たちは海王星の毒ガスに侵されていることが多い。本人的には幸せなのかもしれません。アルコールや海王星は酔ってナンボ、なのでしょう。ただ海王星は欺瞞の星なので業界の発展的にはマイナス査定です。

 20世紀屈指のモダンの巨匠カーターも例外ではありません。

 Rodden rating A のカーターのASCはてんびんサインでほぼ間違いないでしょう。海王星Rは第8ハウスおうしです。アングルと合ではありませんから海王星人とまでは言えません。しかし海王星の影響を受けやすいチャートです。

 金星みずがめ26度 □ 海王星Rおうし25度  いわゆるリセプション。

 

 合もアスペクトとみなすと、土星までの7天体全て、海王星Rを見ています。面白いのは天王星Rと冥王星R、この二つの天体は海王星Rを見ていません。天王星Rはてんびんサインですからカーターは天王星人なのでしょう。まさにモダンの巨匠です。21世紀モダン占星術界の最大級の物書き、かのアンソニー・ルイスが尊敬する占星術師がカーターです。

 面白いのは、冥王星の象意についてカーターは、”ようわからん”、としている点です。冥王星ふたごは第9ハウスですから半永久的に”ようわからん”のでしょう。カーター、流石です。もはやモダンの古典です。

 

 セクトライトの月は海王星Rと同じおうしサインで海王星Rにアプライしています。当ブログで何度も強調しているように占い師に最重要な天体は月です。月で約束されていなければトランスサタニアンなど持ち出すのは適切ではありません。

 MCルーラの月おうし7度は木星さそりからオポジションでセパレイトし水星みずがめ7度に□でアプライします。第9ハウスはふたごです。わかりやすすぎです。この人は占い師に違いありません。

 同一度数での月□水星です。海王星を使わずに海王星的な物言いをするなら、月と水星のハードアスペクトが筆頭的象徴です。ただこれだけで海王星人かどうかは判断できません。しかし海王星の影響が強いチャートであることは予測できます。

 最悪天体の土星Rかには、ケイデント側からMCに合です。いわゆるカルミネイトです。土星RはASCの高揚ルーラです。デトリメントではありますが名声を得られない訳ではありません。20世紀半ばのカーターの影響力はおそらく世界一でした。以前当ブログで述べたようにカーターのグリーンブック(心理占星術本)はながらくプロの占星術師たちのネタ本でした。

 

 ただ、かにサインは伝統派の牙城、やぎサインの反対側ですから、伝統派からすればカーターは一種の裏切り者です。カーターは伝統的占星術は迷信くさいと思っていたようなのです。確かに土星にはそういう頑迷な部分はあります。しかし伝統から学ぶべき益はほぼ無限です。天地が消失するまで続くもの、それが伝統(記述されたもの、歴史)です。

 

 カーターの誕生図について一つ付け加えます。幸運のロットはかに21度だとされています。MCはかに22度。かにの高揚ルーラは木星さそりです。火星はうお0度。ロット合MC、木星&火星でグランドトラインです。木星と火星はドミサイルのミュウチャルディスポジションです。セクトライト の月はこの木星から出発していますから評判(MC)は約束されています。月がアプライする水星はコンバストですけれど、だからと言って成功しないわけではありません。

 

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