軸としてのDSC

 前回の記述内容および今回の記述内容述は、日本国内は言うまでもなく世界的にも恐らくきわめて稀な知見を含みます。すなわち没点(下降点)としてのDSCの効果についての記述です。

 

 誕生図においてもDSCは没点として作用します。たとえばヒトラー。その誕生図のDSCはおひつじ26度です。56歳で死没しました。56歳は第9ハウスふたごサインの年です。その年度代表星(ザ・ロードオブザイアー)は水星です。そのn水星はどこにいるかというとおひつじ25度です。没点であるnDSCとみごとにコンジャンクションしています。

 ただ、どらかというと誕生図よりもイヴェント図においてよりはっきり象徴されるのかもしれません。本当にそうなのか未解決な問題です。

 

 イヴェントチャート(イヴェント図)はトランジット図の一種で、またこれはネイタルチャートでもあります。人が生まれればそのときのトランジットが個人の誕生図でありイヴェントが生まれればそのイヴェントの誕生図となります。占星術的に話題となる代表的イヴェントは事件事故です。

 

 2022年の東京春分図および東京夏至図のASCサインはともにいてです。同MCサインはともにてんびんです。ということは春分図も夏至図も第12ハウスはさそりサインです。春分図は夜チャートでみずがめサインに3天体、夏至図は昼チャートでおひつじサインに3天体、そういう特徴があります。いずれにしろ、事件事故的に最重要天体は木星で、ついで火星、第3位が土星ということになります。MCルーラの金星が重要になるかどうかは、イヴェントチャートのアングル次第です。

 

 2022年の日本国内での最大級の事件は例の銃撃でしょう。

 2022年7月8日(金)午前11時30分、奈良市でイヴェントチャートを立てます。

 

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/d26779bddc9f4caee458d61298963c3b.html

 

 状況によっては死没を象徴しかねないDSCはおひつじ7度です。木星はおひつじ8度01分です。木星は2022年の最重要天体です。これがピタリとDSCに乗っています。この木星は恐らくアドヴァンシングです。つまりこのイヴェントの正しい発生時刻は、DSCがおひつじ8度01分となる時刻までです。こういうのは実に正確に出ます。賭けの要素が濃いアクションは、天体がアドヴァンシングでなくなると手遅れとなってイヴェントは成立し難くなります。

 

 前回「第7ハウス絡みの死はどうも事件事故の色彩が濃く」なると記述しました。これなどまさにそれです。

 

 さてこのイヴェントチャートにおいて、容疑者はASCルーラの金星ふたご第9ハウスで象徴されます。この日は金星で象徴される者がアクションを起こすには有利な金(星の)曜日であり、第9ハウスは宗教ないし狂信のハウスで、容疑者は華奢(チャラそうな?)な男性ですから状況をよく象徴しています。少し付言すると、ふたごは実は残酷なサインです。これは恐らくふたご座の神話が影響しています。ふたご座です、ふたごサインではありません。ふたごサインは、いてサインとともに事件事故のサインでもあります。

 被害者である安倍元総理は当然火星おうし第8ハウスで象徴されます。第8ハウスは死のハウスです。火星おうしと金星ふたごはアヴァージョンです。事件は起きないはずです。さてどうしたものでしょう?、占星術の象徴システムは失敗することもあるのでしょうか。占星術師が読み間違えることは頻繁にあります。しかし占星術の象徴システムは常に正しい。そうでないなら太陽系システムは崩壊しかねません。あるいは人類の意識のほうが正常でなくなる、規則性みたいなものがなくなるのかもしれません。

 このイヴェントチャートのASCはてんびん7度です。そのいわゆるアルムーテン(勝利星)は、土星です。つまり、土星みずがめ第5ハウスが容疑者をもっともよく象徴します。ちなみに第5ハウスは“大使”のハウスです。

 

 土星みずがめ第5ハウス □(制圧、オーヴァーカミング) 火星おうし第8ハウス

 

 土星(容疑者)は、最悪天体の火星(被害者)を圧倒してしまいます。

 このイヴェントチャートにおいて、おひつじ第7ハウスをASCサイン=第1ハウスとみなします。すると闇から鉄砲の第12ハウスはうおサインとなります。そのルーラ木星がアングルにピタリと乗っているのですから避けるのが極めて困難な状況を示します。なお死の第8ハウスはさそりサインであり、そのルーラ火星はおうしサインにあり、いわゆるデトリメントです。警護体制(←おうし第2ハウス)がフォール的(←訂正:デトリメント的)な状況だったことを象徴するのかもしれません。

 マンデン図の重要天体、木星、火星&土星が三役そろい踏み的な状態のイヴェントチャートです。しかもすべてアングル絡みです。トランジットであるこのチャートをみても何が起きるか予測は困難です。イヴェントチャートは事前予測にはほぼ使えません。しかし何事か起きるとすれば避けることは極めて困難であることは言えます。

 

 正真正銘の?トランジットであるイヴェントチャートでの予測はほぼ無理ですけれど、事が起きた後なら予測に使えます。

 安倍元総理(t火星)の国葬は9月27日に予定されています。この日のt火星はふたご18度です。このイヴェントチャートの金星はふたご18度でした。国葬とまでは予測できませんけれど、何らかの儀式的なもの、第9ハウスが管理する事柄が行われるにはふさわしい日です。なお不思議なことにこの日のt金星はおとめ27度です。

t金星おとめ27度 合 安倍総理のn太陽(“王”)

 

 王的な人物のイヴェントに太陽の関与はほぼ必須です。国葬の是非、損得はわかりませんけれど、国葬日和な日ではあると言えます。

 この容疑者(t金星)がこのアクションを起こさなければ国葬はなかったわけです。占星術システムはそのことを見事に象徴します。占星術の象徴システムは常に正しい。我々は、この地球に住んでいるので当然なことです。

 

 事後でないと読めないことですけれど次のような解釈もできます。

 このチャートの第3ハウスはいてです。これは、第7ハウスを第1ハウスとみなすと第9ハウスになります。つまり宗教のハウスです。木星で象徴される宗教が没点のアングルにピタリと乗っています。つまり安倍元総理を象徴するハウスに死を呼び込んだのはこの木星のゆえです。

 

 ここから先はやや上級のテクニックです。本邦初公開のテクニックを含みます。

 7月8日のイヴェントチャートの月はてんびんの28度です。この月は土星みずがめ24度から△でセパレイトしてきた月です。土星が容疑者を象徴することを支持しています。月はヴァイアコンバスタなので、何らかの燃焼を象徴します。火薬が爆発するとまでは予測できません。月はてんびんサイン内では他の天体とアスペクトしないので爆発(銃撃)が成功するか失敗するかあらかじめ予測することはできません。失敗する可能性もありました。ではなぜ成功したのでしょうか?。

 一つ考えられるのは、DSCひつじ7度のアルムーテンは太陽(“王”)であるということです。このイヴェントチャートの lot of death はししサインです。そのルーラは太陽かにです。安倍元総理を象徴する火星おうしのおうしサインと、死のロットのルーラ(死の領主)である太陽かにのかにサインとの関係を検討します。つまりおうしサインとかにサインはどういう関係かということです。

 この技法については古代から諸説ありますけれど、恐らく最も詳述しているのはアブ・マシャァ(Abu Ma’shar)です。ダイクス博士訳の「the great introduction to the science of the judgement of the stars」を参照すれば、詳しく知ることができます。

 北緯においては、かにからいてまでのサインは、やぎからふたごまでのサインに命令します。英語では command(ing) の関係とされています。逆に言えばやぎからふたごサインまではかにからいてまでのサインの命令に従います。おうしサインの火星(安倍元総理)はかにサインの太陽(死の領主)の命令に従います。

 安倍元総理の死亡が確認されたのはt月がさそりサインの1度に運行しイヴェントチャートの火星おうし1度とオポジションになったときでした。これも同様に考えることができます。さそりサイン(第7ハウスから第8番目の死のハウス)のt月は敵意(オポ)をもっておうしサインの火星に命令します。おうしサインの火星はさそりサインのt月の命令に従います。

 

end