魔界チャート

 アブマシャア(アブー・マーシャル)の生年月日は、wikipedia によると787年8月10日です。しかしながらその生年月日は786年との説もあります。786年説では生まれ月日は提示されていません。アブマシャアの正しい生年月日がいつであれ、その誕生図を立てるなら従来から公開されている787年8月10日でokです。現代の巨匠、アンソニー・ルイスは、787年8月10日でアブマシャアの誕生図を論じています。ゆえに787年8月10日はアブマシャアの生年月日として使える可能性が高い。ただし生まれ時刻まで追求するのは無理です。以前述べたように海外の占星術師は強引にでもASCを設定してチャートを立てたがる傾向があるのですけれど、アブマシャアの場合、それは無理筋すぎます。

 正しい生年月日不明で、むしろ786年説のほうが有力なのに、なぜ787年8月10日でokなのでしょうか。占星術の象徴システムというのは、そういうものだからです。

 そういうものだ、の傍証となるのが魔界チャートの存在です。

 

 魔界チャート。

 これは当方の造語です。魔境チャートとも言います。魔界でも魔境でもどっちでもokです。言葉の響きの好みの問題です。魔界チャートは秘境チャート(秘教チャート?)でもあります。しかし秘境チャートは魔界チャートであるとは限りません。

 魔界チャートというのは、この地上はときに "magical zone" だとでも考えないと解釈が困難な意義深い不思議なチャートのことです。ほんまかいな?、そういう不審感を抱くようなチャートです。この世はときに魔界化します。つまり魔界チャートは存在します。

 

 2022年10月25日19:50JST。新月です。部分日食でもありました。日食と言うのはチャートが魔界的になる一つの要素です。日食だからいつも魔界のゲートが開くわけではなく魔界のゲートを開けるためには日食が必須なわけでもありません。チャートが魔界的になるかどうかは、どこでチャートを立てるかが恐らく最重要です。

 この部分日食の天体配置は世界共通です。当ブログは日本語で記述するブログなので、ここでは東京でチャートを立てるものとします。東京で立てると、この部分日食は魔界チャートの一例となります。

 

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/c1faa1ad066cd12ccbe67a1b0cf10092.html

 

 マレフィックである火星がアセンダントと一度以内の合です。魔界のゲートが開きかねないチャートです。

 なおヘッドの真値はおうし13度です。その平均値もおうし13度です。

 この部分日食図はリリーの誕生図と強い関連があります。これは当然で、当ブログでリリーの誕生図をたびたび取り上げているし前回の記事ではアブマシャアとリリーの誕生図を比較したからです。

 

 実はなのか、当然なのか、リリーは魔術師(手品師ではなく呪術師)でもありました。リリーの魔術師的側面を強調した伝記が出版されています。リリーの伝記は何冊かありますけれどいずれも邦訳されていません。当方としては、リリーを魔術師扱いするのは“やりすぎ”だと思います。しかし魔術師でもあった事実を無視はできません。リリーの第12ハウスには特徴があるはずです。

 リリーの誕生図の第12ハウスはみずがめサインです。そこに天体はありません。みずがめを管理する土星Rさそりは第9ハウスです。Demons, 魔(者)は土星が象徴します。リリーのASC度数の勝利星は金星です。

 金星おうし19度9分 オポ 土星Rさそり18度42分

 

 リリーのASCの勝利星の金星は土星Rからセパレイトしていて、太陽おうしに向かっています。土星Rは逆行していて金星とは逆方向へ動いています。つまりリリーは魔術(土星R)に傾倒はしていたものの魔術から足を洗った、少なくとも相当の距離を置いたのでありましょう。

 

 次回に続く予定。

 

end