セレスの秘密

 2023年5月5日14:42頃、能登地方を震源とするM6.5の地震がありました。石川県珠洲市では震度6+を記録しました。以下チャート作成地点は東京です。

 地震発生図、セレスRはおとめ23度

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/3ede05aeeef65a290f1a831247a8b7cb.html

 

 このチャートで注目なのは、東京ではジュノーはMCのデクライン側いわゆるケイデント側なのに対し、珠洲市でチャートを立てるとジュノーはMCのアドヴァンシング側いわゆるアンギュラー側になることです。珠洲市と東京では切迫感が違うことを示唆しています。

 

 Underworld 的事象である地震占星術的に考察するのに最も重要な神話は、コレー(後のペルセポネー)の略奪です。コレーはおとめという意味らしいので、最初に見つかった小惑星であるセレスに代表される4個の小惑星は、おとめサインと親和性があるものと推察できます。

 コレーが水仙の花を摘もうとしたら、急に大地が裂け黒い馬に乗った冥府の王ハーデースが現れ、コレーを地下に連れ去ってしまいました。つまり大地が裂けるレベルの地震はハーデース(冥王星)とペルセポネー(占星術的にはセレス)に関連します。

 神話は神話であり、一般に俗世とは無縁の話しなのですが、この世はときに神話化(≒魔界化)します。神話時代から21世紀まで天体は運行を停止していませんから、神話の時代が完全に終わったわけではありません。また人類がこの世にある以上、神話(≒占星術)の時代は完全には終わりません。天(のとき)、地(の利)、人(の和)&(まさかの)地下(魔界)は、そのようにできています。

 コレーの略奪の神話からすると、実は木星は曲者です。ハーデースがコレーを略奪することを認めたのはゼウスつまり木星なのです。木星は吉星であることを止めるわけではありません。しかし自然現象そのものに吉も凶もありません。吉凶と言うのは人間にとって喜ばしいかそうでないかです。自然現象である地震の場合、人間の都合におかまいなく、木星木星として膨張的な機能を果たします。

 地震災害と言えば小惑星、特にジュノーが気になります。実際、2023年4月20日13:12の新月図において、東京でも珠洲市でも、「ジュノー 合 MC」の卦がありました。政府が仕事をしなければならないことを示唆しています。

 4月20日新月図、セレスRはおとめ24度。MCおうし20度 合 ジュノ―おうし22度。

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/04bfab21a2fff747842a2cf447910774.html

 

 しかしながら上述したように神話的に考えれば、小惑星についてはローマ神話のケレース(Ceres)、占星術ではセレスが重要です。セレスはギリシア神話ではデーメテールです。デーメテールの娘がコレー(ペルセポネー)です。日本語版の wikipedia の記事にある通りデーメテール≒ペルセポネーですから、占星術で使う小惑星セレスは事実上オリンポス12神の一柱デーメテールです。

 

 セレスと木星には“前科”があります。

 

 2010年東京春分図では、冥王星はやぎ5度でセレスはやぎ0度でともに第1ハウスです。

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/fb08c4a01db6561c4e0ba8c346e32e74.html

 

 セレス絡みの卦1

 ASCルーラにして最悪天体の土星てんびん1度が右側から □ セレスやぎ0度

 

 0度は当然に地震度数です。サインの切り替わりである29度から0度へは激変を象徴します。これほどの急激な変化は0度へしかありません。ただし26度というのは地震に直接関係するわけではありませんけれどデトリメンタルな度数です。これは最凶の恒星アルゴル(メデューサの首)が1988年ごろからおうし26度に位置していたからでしょう。この春分図、ご丁寧に月はおうし26度です。月がおうし26度だからといって地震が起きるわけではありません。しかしこの月はアングルのルーラですから相当な高確率で何か難事が起きます。アスペクトがあろうがなかろうが、類は友を呼ぶというアフォリズムのゆえに、サインの同じ度数というのは“引き”として作用します。メデューサの目を見たものは石になると言います。同じ度数というのは視界に入っています。

 

 周知のとおり2011年3月11日14:46に大地震が発生しました。このときのセレスはみずがめ26度です。

 セレス絡みの卦2

 トランジットのtセレス □ 春分図の月おうし 合 恒星アルゴル

 

 これらの卦だけなら偶然かもしれません。しかし温厚な神であるセレスの顔も三度まで。

 春分から始まる占星術的な2010年度を代表する新月は2010年3月16日午前6:01に起きました。2010年春分図ではセレスはやぎ0度でした。ところが、この新月図では、

 セレス絡みの卦3

 セレスはいて29度、MCいて28度にアドヴァンシングしています。

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/875508a67b1a855375f83b3aed1394e4.html

 

 セレス絡みの卦4

 セレスいて29度 □ ASCうお27度

 

 26度絡みでは、水星と天王星がうお26度でASCと合であることが注目に値します。

 

 セレス(≒コレー)神話では実は曲者である木星はうお13度ですから第1ハウスに入っています。まさに木星の年です。日本が滅びかねないほどの強烈なチャートなのですけれど、そこは大吉星の木星、そうはなりませんでした。これはMCが28度だったということもあります。一般に29度は手遅れを示唆しますけれど、28度なので日本にもワンチャンスあったのです。しかしながら木星地震災害を抑止するわけではありません、起きた後に宥める効果はあります。

 

 そして、2011年3月11日の大地震発生直前の新月は3月5日05:46に起きました。このときの新月はうお13度でした。

 大地震直前の新月

http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/5543ae5869d386a2e23d83a185f84e51.html

 

 2010年度代表新月図の木星うお13度 合 大地震発生直前の新月うお13度

 

 なお2010年度代表新月図でも地震発生直前の新月図でもASCサインはうおです。まさに木星のイヴェントを象徴しています。1000年に一度などと謳われるとどうしても木星が登場してくるようです。

 3月5日の新月図ではセレスはみずがめ23度です。実はジュノーRはおとめ23度で、この二つの小惑星は、将来への“火種”となっています。2023年5月5日の地震発生時にはセレスRはおとめ23度であったことは思い出す価値があります。

 

 次回に続く予定です。

 

end