かの地では1000年に一度クラスの地震災害であったらしいモロッコでの地震について検討します。チャートキャスティング地点はモロッコの首都ラバトです。
http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/884ad3e98ff2600805e68955f82b300f.html
2023年春分のヘッド位置はおうし4度です。モロッコの首都でのDSCはおうしサインで、そのルーラ金星はおうし4度にいます。つまり金星 合 ヘッドであり、DSCはおうし5度です。金星もヘッドもいわゆるデクライン側(ケイデント側)であり手遅れ感があります。一方で金星は災害の第12ハウスルーラではあります。しかしこの金星は最良天体です。またおうしサインは金星がいる場所としては最良のサインです。1000年に一度クラスの地震災害を象徴する卦としてはあまり適切ではありません
実は小惑星のジュノーはおうし5度です。地震に関連が深いとされているジュノーを使わなくても説明が可能なチャートだと思いますけれど、ジュノーがダメ押しにはなっています。
ASCさそり5度は、いわゆるバイアコンバスタです。決定的ではありませんけれどやや不吉です。火星を十分に検討する必要があります。
火星ふたご27度第8ハウスは相応に不吉ではありますけれど、火星は金星を見ていません。しかしながらt月は天王星から*でセパレイトし火星に□でアプライしますから、歴史的な事件事故などが起きないとまでは言えません。天王星を使わないとすると、t月は金星から*でセパレイトしていますから、ASCルーラと災害のルーラが関係があることになってしまいます。
地震災害というとICが気になります。ICはみずがめ9度で、みずがめ第4ハウスには天体がありません。ハウスに天体がなくてもシンプルに災害は起きます。ハウスに天体があると、起きる事象が複雑化します。
このチャートが世界一の地震超大国日本の首都でのチャートなら地震を想定するのは当然です。しかしモロッコとなると微妙です。1000年に一度クラスの地震災害を想定するのは無理だと思います。
この地、つまりICルーラの土星うお1度が象徴する地で地震災害が発生することをよく象徴しているのは、最悪天体である土星と一年間を最もよく象徴するASCルーラ火星の関連です。土星と火星はコントラアンティションです。両天体ともアングルのルーラかつ凶星ですから警報的チャートです。
とはいえ以上述べたことを総合しても1000年に一度クラスの地震災害を想定するのは無理があると思います。この辺が占星術の難しさと奥深さです。簡単な占星術というのはインチキ臭いものです。一枚のチャートを読むというのは所詮ギャンブルです。当たるも八卦当たらぬも八卦です。
ではどうしたら?。業界的に標準の正答は恐らくありません。しかし正統占星術では“由緒”を大切にします。この一枚のチャートはどういう由来のチャートか、これがヒントになります。
由緒を探るチャートはいつ立ててもokなのですけれど、ここでは2023年の春分直前の半月図を立てます。
http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/fbc43b1021664eb3954a38674408e051.html
春分図では最も目立つ天体であった金星は、半月図では不動産の第4ハウスルーラであることがわかります。これを知らないと春分図の金星を大地と結びつけることは困難です。そして結果的には半月図のICルーラのt水星が金星とアンティションションとなる位置に運行したときに地震が起きました。
半月図の金星おひつじ18度 アンティション t水星Rおとめ11度
このチャートで最も目立つのはICの軸です。ASCルーラの月は昼チャートなので凶意を孕んでおりIC(大地)に30分以内でピタリと合です。これはイングレス図ではなく半月図なので、特段の事情がない限り歴史的な事件事故などが起きます。さらに本当に微妙なことながら、この太陽と月はMC-ICの軸のデクライン側です。ICが象徴することがらについて何かよくないことが起きると予想できたとしても対策困難です。
春分図の火星は、この半月図では最悪天体であり災害の第12ハウスのゲストであったことがわかります。一宿一飯の恩義というのは占星術にもあります。敵を象徴するハウスのゲストとして火星は義理を果たそうとします。
春分図ではうお1度であった土星は、半月図ではみずがめ29度第8ハウスです。切羽詰まっています、もう後がありません。何事か起きてからでないと土星は次のサインのうおに進入できません。
もちろんこの土星は恐怖の大王です。恐怖の代表的事象である死に関連するハウスは第7ハウスと第8ハウスですけれど、土星はこの両ハウスのルーラです。
さらにダメ押しのようにジュノーはおひつじ27度です。すなわち
半月図のジュノー * 春分図の火星 in 第8ハウス
おひつじは火星が管理するハウスですから、火星はジュノーの主張を受け入れます。
小惑星はおとめサインのルーラであるとの説があります。小惑星をサインのルーラとするのは不適切ですけれど、ギリシア神話的には、4つの小惑星はおとめサインと関連が深いのは確かなようです。
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