☆伏線と言えば、、、
ストーリーを語る技芸、紙芝居、漫画、文学、演劇&映画などでは伏線が重要です。伏線の張り方の巧拙は作品の出来栄えに大きく影響します。映画ではアルフレッド・ヒチコック監督はこれが抜群にうまい。まさに映画の神様。
ヒチコック監督作品というのは53本あるらしい。トランプ52枚+ジョーカー?
初期の習作的作品を除けば、後述する三十九夜以後、あまり出来がよくない映画ですら、映画のテクニックのお手本ともなる価値あるシークエンスがあるのがヒッチコック映画のお楽しみ。
イギリス時代のヒチコック映画で伏線の張り方とその回収が完璧なのが「三十九夜」です。ユーモア、サスペンス、女優&小道具。小道具の使い方が憎たらしいくらい上手い。ヒチコックスタイルが確立した映画でもあります。また映画史上屈指の映画的に面白い映画、古典的な映像表現の面白さを持つ映画の一つでもあります。
1935年公開の三十九夜は、1999年の英国映画協会の20世紀の英国映画トップ100では第4位。これら100作品の中では最も古い映画、公開年が古い映画です。英国映画は事実上ヒチコックから始まったと言えましょう。ちなみに1位は第三の男、これは納得。2位は逢びき、主題の古さ(あまりに古典的すぎ)は感じるものの画面からにじみ出る品格からすると2位もまあ納得。3位はアラビアのロレンス、映画史に残る超大作。
ヒチコック映画は基本全てがおすすめで、映像表現の参考書、何かしら学ぶところがあります。裏窓、めまい、北北西に針路を取れなど、粒ぞろいです。しかし当ブログ断然のおすすめは1940年の「海外特派員」です。ヒチコック映画の中でも屈指の古典的シークエンスを持つ作品です。ハリウッドの資本でイギリス時代の手法を存分に発揮した映画です。これ戦争中のプロパガンダ映画なのですけれど、プロパガンダ映画がこんなに面白くて良いのかしら、という優れものです。いわゆる“しゃれ”の分かる人向けです。主人公の活躍により HOTEL EUROPE(ヨーロッパホテル)がしゃれた「ホットヨーロッパ」に。
日本で公開されたのは1976年です。淀川長治さんがラジオで激賞していました。淀川さんは海外(英国?)で見たのかもしれません。双葉十三郎さんも高く評価していました。この二人、ヒチコック夫妻が来日したときにヒチコック夫妻と一対多で対談している二人でもあります。
☆トランジットは伏線?
伏線重要の事情は占星術でも似たようなものです。一見偶然的事件(トランジット)が起きるには伏線(特徴あるトランジット)が要ります。
10月1日、東証でシステム障害が起きました。こういう場合、東証側が障害に気付いた時刻もそれなりに占星術的に有用です。しかし取引開始予定時刻が決定的に重要です。占星術では社会的な影響が最高位だからです。取引開始は、競馬で言えばゲートが開く発走予定みたいなものです。
10月1日9:00am、東証35n41, 139e47でのトランジットチャート。
http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/eba7bcc196d67fe22c3707ab7fcbed56.html
障害のハウスである6-12の6側に、ASCルーラにして最悪天体の火星Rが入っています。12側に入っているセクトライトの太陽はフォールです。つまりダウンを示唆します。没落を象徴するDSCルーラの金星がMCにピタリとくっついています。
なお水星はアングルの第1ハウスにインです。つまり事が起きても不思議ではないハウスにいます。12ハウスですと不吉ではありますが事が起きるかどうかはわかりません。
起きてしまえば理屈付けは可能です。しかし事前にこのチャートを見ても予測は無理です。t金星 合 tMC は約24時間に1回起きます。それにt金星のトランジットで障害を予測するのは難儀です。
ではよりによって、t金星 合 tMC、本来慶事を示すようなタイミングで障害が起きたのか、従来の非正統的占星術は答えるすべを持っていません。
トランジットの一種であるマンデンチャートを使え、正解はこれです。マンデンチャートで示唆されていないことは個人であれ、団体であれ、国家であれ起きないからです。マンデンチャートの代表は春分図と新月図です。どっちが重要かは未解決の問題です。しかしイヴェントの予測には新月図のほうが適しているようです。一般的運勢傾向の予断、トレンドの予想なら当然春分図です。
☆チャートキャスティング地点が致命的に重要
世間を騒がす事件が起きると日本のプロやアマの占星術愛好家達があれこれ言います。しかし的外れ。
天体の配置、トランジットは世界共通、なぜに東京かを後付けしなければ意味がありません。
東京だけの特徴は、つまるところアングル絡みだけです。
トランジットは偶然です。モダン非モダンを問わず、これが占星術の泣き所。モダン占星術特に心理占星術によると全てのトランジットは心理的には意味があるのだと。これは言い換えれば当たらないということを白状しているようなものです。当たらないトランジットをいかにして使えるものにしていくか、伝統的占星術といえどもこれは難問です。しかし、そういう問題意識は伝統的占星術には強烈にあり、課題解決に2000年以上苦闘してもきました。だからこそ予測テクニックは何十もあります。それでも後付けがせいぜい。事前予測は一種のギャンブルです。
2000年にわたる苦闘の結果、一つ言えるのは、あてになるのはアングル絡みだけ、これです。アングル絡みだから事が起きるとは言えません。しかしアングル絡みでないと事は起きません。
上記の10月1日午前9時東証のトランジットの特徴を挙げます。
ASCさそり、MC 合 金星しし27度です。金星を管理する太陽はてんびんサイン(12)にいます。フォールです。フォールは、転落やダウンを示唆します。ASCルーラの火星Rおひつじはトラブルを象徴する第6ハウスです。アングル中のアングルである第1ハウスさそりには水星がいます。直前新月図ではどこに水星がいたのか、注目必須です。
http://www.horoscope-tarot.net/horo/s/8f1e18464b7f72ab65ce53798b2e3656.html
新月図というのは、ある時点での天文学的特徴をある場所(本件では東証、35n41, 139e47)でとらえたトランジットチャートです。トランジットなので偶然です。この偶然にアングルが絡んでくると必然化します。
とまあ、書き散らしていますけれど、もちろんこれは本邦初公開の秘伝的知識です。
以下17日の新月図の特徴です。
ASCはおうし16度、MCはやぎ29度です。MCはもう後がありません。ダウンしてみずがめの0度から再出発するしかありません。なおMCはサイエンス(学問)を象徴する第9ハウスに刺さっています。サイエンスといえども限界(29度)はあります。
ASCルーラの金星は第4ハウスしし12度です。第6ハウスはてんびんなので、金星は“病気”(低品質)を象徴します。
また金星in第4ハウスなので“遺伝的”問題です。東証固有の根深い問題です。金星を管理する太陽はおとめですから、太陽は金星を見ていません。つまり金星の言い分(生き延びること)を太陽は受け入れる義理はありません。セクトライトの月も同様です。すなわち、この金星は新月から見放されています。なおt月の直前の合は金星です。ネイタル、ホラリー、マンデンを問わずt月の直前の合は留意が必要です。
本来t金星は、障害を予測するには向かない天体です。しかし、この新月図のt金星は、そうではありません。
この新月図から障害が起きるかどうか予測するのは無理です。しかし起きるとすればt金星がtアングルに絡んだ時だけです。事実t金星 合 tMCのときに社会に影響を与える障害が起きました。
一方、17日の新月図において、障害のハウスである6と12には、水星てんびん(6)と火星Rおひつじ(12)がいます。この新月以降、t水星とt火星がアングル絡みとなると、恐らく何事かトラブルが起きます。実際にはt水星がt第1ハウスに入り、t火星がtASCルーラとなったタイミングで障害が起きました。
新月図において、保護を期待できる木星はやぎですからししの金星を見ていません。木星は金星を保護できません。木星は希望のハウスのルーラですから絶望的です。
金星はてんびんを管理しますから水星(東証を支えるシステム技術)の言い分は受け入れる用意があります。しかしこの水星はバイアコンバスタ(ヴィアコンバスタ)です。故障を受け入れるようなストーリー展開になってしまいます。
第12ハウスという対策困難なハウスにいる火星Rはルーラーシップを取っており逆行しています。この火星Rは金星を打ち負かします。いわゆるオーヴァーカミング。△なので破壊的ではないですが。火星Rは、アングルの一つである第7ハウスさそりのルーラでもあります。DSCの度数もバイアコンバスタ(不調)です。第7ハウスはディール、取引のハウスです。東証の取引先に障害の原因が潜んでいた(←第12ハウス)のでしょう。
end