タロットとホラリー

 古代においては夢は占いとして最重要な意義を持っていました。夢解釈で歴史的に有名なのはヘロドトスの「歴史」や旧約聖書です。

 しかし為政者が都合よく夢を見ることは難しい。そこでデルポイの信託システムが発達したのでしょう。ペルシア戦争の時のアテナイへの信託は有名です。この信託が今日まで伝わっているのはヘロドトスが「歴史」を書いてくれたおかげです。

 結果、アテナイは滅亡を免れたのでした。しかしながら天才的な戦略家であったテミストクレスがいなければ、、、。ペルシア戦争、特にサラミス海戦の勝利はテミストレクス抜きではあり得ません。サラミス海戦は、ほぼテミストクレスの一人(活躍)勝ちです。信託(あるいは占い、divination)を活かせるかどうかは”人”次第なのかも。人の能力なのか、運なのか、これは永遠の課題です。当店的には自転車の両輪みたいなものだと思っています。運も実力のうち、というのは理がありすぎます。後述するリリーは実力が図抜けていたから運も超絶良かったのでしょう。

 

 タロットカードを引くということは眠らずに夢を引くようなものです。引いたカードは正夢のこともあれば偽りの夢のこともあります。経緯や状況によります。

 占いは”ひき”。言い換えればギャンブル運です。占い師であっても狙って宝くじの一等を当てるのは困難です。しかし一等は誰かには当たっています。占い師も運には勝てません。個々のギャンブル運には大きな差があります。

 タロットに限らずカード占いは、質問の質とタイミング次第です。

 入れた質以上の答えが出てくることはありません。質問の質を高めるのが日本人は苦手のようです。日本に論理はないので高質な質問ができる人はほとんどいません。

 後はタイミング、切羽詰まった悪い状況になるほど、カード占いは当たるようになります。

 カード占いの勉強をしようにも、その学習者は大概は平時につまらない質問をしているわけです。つまらない結果と解釈にしかなりません。闘争などというものがほぼ無くなった現代日本において、カードの学習者が切羽詰まった状況に身をおくことは困難なのでしょう。

 

 カードほどではないもののホラリー占星術も似ています。天体を引くわけです。ギャンブルの要素はどうしてもつきまといます。Rodden rating A の誕生図とされるリリーは、占い師としては超絶運が良いチャートです。その運の良さは千年に一人レベルかもしれません。

 ASCうおサイン&MCいてサインで、セクトライトの月はやぎです。この月は他の6天体全てを見ています。この月はいわゆるヘイズ、セクト的には最良の状態です。なんでもお見通しです。モダン占星術での説ですが、月やぎはギャンブル運が良いという有力な説があリます。古代ローマの初代皇帝アウグストゥスは月やぎだったそうなので一理ある説なのでしょう。

 ロットオブフォーチュンは、ギャンブルのハウスである第5ハウスかにサインです。占い師にとって最重要な天体は月です。さらにかにのイグザルテイションルーラは木星Rてんびんです。木星RはASC&MCルーラでもあります。名声は約束されています。

 ただし木星Rは逆行していますから、歴史的(第8ハウス的)には復興(戻る)が必要です。もちろん後付けでなければこんな解釈はできません。

 divination 、ホラリー占いのハウスはさそりサインです。そのルーラは火星おとめ第7ハウスです。水星R、金星&太陽がトラインで火星をリセプションでオーヴァーカミングしています。火星は、夜チャートで太陽と反対側の半球にいること、いわゆるヘイズであることに留意です。月やぎ△おうしの3天体△火星でいわゆるグランドトラインです。水星おうしはDSCルーラですから、リリーの所には安定的な(当たる?)客しか来ません。まだまだ運が良い要素はありますけれど、もうお腹いっぱいです。

 レギオモンタヌスハウスシステムは、史上屈指恐らくは史上トップの大スター占星術師であったリリーが使っていたということが最大の根拠です。スターに憧れ、リリーの運の良さにあやかるべくレギオモンタヌスハウスを使うのは一理も二理もあります。占い愛好家には、こういう縁起をかつぐこと(呪術的効果?)もバカになりません。リリーほどの大スター占星術師が使っていたハウスシステムだ、当たらないはずがない、こういう信念はギャンブル運を向上させるかもしれません。

 

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