オーガー・フェリエ

 2023年10月に刊行された「古典占星術」、チャールズ・オバート著、河内 邦利 訳 の魅力の一つが Auger Ferrier(1513-1588) のテクニックが記載されていることです。

 この本の翻訳者の河内 邦利さんが自身のブログでオーガー・フェリエについて書いています。

https://ameblo.jp/horary-school/entry-12824144099.html

 

 オバート翁の原書では、フェリエは Augur Ferrier とスペリングされています。フェリエはフランス人で医師にして占星術師でした。この Ferrier、史家のホールデンの著書「a history of horoscopic astrology」の人名索引には記載がありません。本ブログの筆者は、オバートさんの原書ではじめてフェリエなる占星術師を知りました。知ったとしても、フェリエの著書はフランス語であり英語版の書籍は無さそうなのでフェリエの下記主著を読むことができません。

 

Jugements Astronomiques Sur Les Nativités

 フランス語版です。2013年の出版です。フランス語ながらKindle版なら397円で読めるようです。

 

 このフェリエのテクニックを日本語で読めるわけなので、「古典占星術」の出版は実に有難いことです。

 オバート翁は、「古典占星術」において、Morin(モラン) のbook 21 を必読書として挙げています。モランに目を付けたのは、恐らくオバート翁の師匠のダイクス博士の影響です。チャートの読み方は、詳しくは教室で、が占星術界の伝統です。ほぼ唯一の例外が Morin です。Morin はいわゆる修正主義者であり伝統的占星術師にしてアーリーモダン期を代表する占星術師でもあります。一方、フェリエに目を付けたのがダイクス博士なのか、オバート翁の特ダネなのか、不明です。

 

 ちなみに、歴史家にしてアーキビスト(archivist)の Philip M. Graves は 自身のウェブサイトで400人の故占星術師のランキングを2014年に公開しています。

 

Top 400 greatest dead western astrologers

https://www.astrolearn.com/astrology-articles/greatestastrologers/

 

 このランキングの113位にAuger Ferrier がラインクインしています。

 

 なお、イギリスの詩人のロバート・グレーヴス(1895-1985)のおいまたはめいの息子がPhilip M. Graves ということのようです。

 

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